研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (observational study)

[静的、ELF、VFおよびVLF磁界への職業的ばく露と免疫パラメータ] med./bio.

Occupational exposure to static, ELF, VF and VLF magnetic fields and immune parameters

掲載誌: Int J Occup Med Environ Health 2000; 13 (1): 39-50

この研究は、磁気共鳴断層撮影(MRI)装置を操作する病院スタッフおよび誘導加熱装置を用いて作業する工場労働者に対する職業ばく露の影響を調査した。どちらの職場カテゴリーにおいても、オーストリアのばく露基準を超える磁束密度が記録されている。免疫系は複雑で冗長性が高いことを考慮して、広範なアッセイ系が適用された:リンパ球サブセットの相対数および絶対数、T細胞およびB細胞の増殖活性測定、インターロイキン2、インターフェロンγおよびTNFαの分析、血清免疫グロブリンの評価、酸化バーストにより測定した単球および顆粒球の非特異的免疫の評価。その結果、単球でのナチュラルキラー細胞数および酸化バーストに、誘導加熱装置作業者群と対照群の間で有意な差が見られた;しかし、酸化バーストに関して観察された影響は、ばく露群で活性細胞が多いことにより相殺されるもので、これは正常な非特異的免疫を示している;誘導加熱装置の作業員の一部に観察されたナチュラルキラー細胞数の増加は、別の調査でも再確認されており、さらなる追跡調査に値する、と報告している。

研究目的(著者による)

磁気共鳴断層撮影を操作する病院職員、及び誘導加熱器を扱う産業労働者に対する職業ばく露の影響を調べること。

詳細情報

両方の職場カテゴリーで、オーストリアのばく露基準を超える磁束密度が記録されている。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1:
  • 磁束密度: 500 µT (in the adjecent room)
  • 磁束密度: 3 T maximum (1.5 T, 1.0 T and 0.2 T; in the center of the coil)
ばく露2: 50 Hz–21.3 kHz
ばく露時間: continuous for 8 h/day (worst case scenerio)

General information

Occupational exposure

ばく露1

主たる特性
周波数
タイプ
  • magnetic field
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • magnetic resonance image (MRI)
ばく露装置の詳細 Subjects seated in the rooms adjecent to MRI room
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 500 µT - 測定値 - in the adjecent room
磁束密度 3 T maximum 測定値 - 1.5 T, 1.0 T and 0.2 T; in the center of the coil

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz–21.3 kHz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 8 h/day (worst case scenerio)
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • Induction heaters
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 10 nT minimum 測定値 - -
磁束密度 2,000 nT maximum 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

本研究は、ばく露された被験者免疫系に対する低周波電磁界の相当の抑制効果を確認しなかった。誘導加熱器で作業するグループにおける単球ラジカル産生(酸化バースト)の減少は、活動的な細胞の数の増加によって相殺されるようである。対照の値から逸脱していた唯一のパラメータは、ナチュラルキラー細胞の数の多さであった(誘導加熱器での作業者の一部で認められた)。

研究の種別:

研究助成

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