研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[電力周波数磁界へのばく露とエックス線はヒト神経膠腫MO54細胞のGAP-43遺伝子発現を誘発する] med./bio.

Exposure to power frequency magnetic fields and X-Rays induces GAP-43 gene expression in human glioma MO54 cells.

掲載誌: Bioelectromagnetics 2002; 23 (8): 586-591

この研究は、ヒト神経膠腫細胞(MO54)に、予め電離放射線(2 Gy照射を行なった場合、あるいは行わなかった場合について、磁界(60 Hz、5 mT)ばく露後の成長関連タンパク質43(GAP-43)の分布と発現を調べた。細胞質に存在し、核周囲に蓄積するGAP-43を、免疫細胞化学および逆転写ポリメラーゼ連鎖反応RT-PCR)を用いて測定した。その結果、磁界ばく露後に、GAP-43発現の増加が観察され、mRNAレベルではばく露の10時間後に、タンパク質レベルでは12時間後に、ピークが見られた; GAP-43のタンパク質レベルでの増加は、磁界ばく露から24時間以内に正常レベルに戻った;電離放射線によって誘発されるGAP-43発現の動態パターンは、磁界によって誘発されるパターンと非常に似ていた、と報告している。

研究目的(著者による)

エックス線照射(2Gy)の有無での磁界(60Hz、5mT)ばく露後の、ヒト神経膠腫細胞における「増殖関連タンパク質」-43(GAP-43)の局所的な細胞内分布と遺伝子発現をイン・ビトロで調査すること。

詳細情報

調査したGAP-43は、脳組織細胞の発生と成長のマーカーと見なされている。
本研究で用いた5mTの磁束密度は、国際放射線防護学会/国際非電離放射線委員会(IRPA/INIRC)のガイドラインでの短期的な職業的全身ばく露(作業日あたり2時間)に対する最大許容値である。
実験を3回反復した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 60 Hz
ばく露時間: 5, 10, 12 and 24 h

ばく露1

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 5, 10, 12 and 24 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 CO2 incubator with a built-in magnet generator using two Helmholtz coils
Additional information cylindrical exposure space (14 cm height x 20 cm diameter) housing sixteen 10 or four 15 cm culture dishes; inside and outside of the incubator shielded by silicon steel and Permalloy C.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 5 mT effective value 測定値 unspecified -

Reference articles

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

GAP-43は細胞質に存在し、核の周囲に蓄積する。
超低周波電磁界への5時間の細胞のばく露では、偽ばく露細胞と比較して、GAP-43のmRNAレベルが2.5倍増加した。共ばく露誘発された転写レベルは、エックス線単独照射と比較して僅かに高かったが、磁界単独ばく露よりは低かった。エックス線照射細胞でのGAP-43のmRNAレベルの動態パターンは、磁界ばく露細胞と非常に似通っていた。
GAP-43タンパク質発現は、偽ばく露細胞と比較して、電磁界ばく露の12時間後には約2倍高く、24時間後には対照レベルに戻った。

研究の種別:

研究助成

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