研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[ヒト細胞における50Hz MFばく露後の細胞周期およびサイクリンD1、p21CIP1、およびp16INK4aのタンパク質レベルにおける変化] med./bio.

Alterations in the cell cycle and in the protein level of cyclin D1, p21CIP1, and p16INK4a after exposure to 50 Hz MF in human cells.

掲載誌: Radiat Environ Biophys 2002; 41 (2): 131-137

この研究は、50 Hz、1 mTの磁界MF)が細胞周期全般に与える影響を調べた。具体的には、ヒト羊水細胞を用いて、S期のDNA合成、G1期の調節タンパク質であるCdk4、サイクリンD1、p16INK4a、p21CIP1への影響を調べた。その結果、BrdU取り込みアッセイにより、MFばく露を受けた培養細胞におけるS期細胞の有意な減少が認められた;Cdk4のタンパク質レベルは、磁界ばく露の影響を受けなかったが、サイクリンD1の発現低下が、24時間および30時間のばく露後に見られた;p16INK4aのレベルは、ばく露から1時間および12時間後に増加した;p21CIP1の発現は、ばく露から6時間および12時間後に増加した;2つのCdk阻害因子(p16INK4a、p21CIP1)のレベル低下は、より長いばく露時間(24時間および30時間)で観察された;これらの知見から、MFによるG1期の抑制的影響は、p16INK4aとp21CIP1の発現が変化することによって引き起こされることが示唆された、と報告している。

研究目的(著者による)

ヒト羊水細胞における細胞周期、S期のDNA合成、ならびに幾つかのG1期制御タンパク質に対する磁界ばく露の影響を調査すること。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 24 h
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 30 h

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 24 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 CO2 incubator
ばく露装置の詳細 Cells were placed in the central area of the coils where the magnetic field was uniform
Additional information Control cultures were kept in an identical incubator without the Helmholtz coils
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT - 測定値 - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 30 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT - 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

磁界ばく露はS期の細胞の有意な低下につながる。Cdk4タンパク質のレベルは変化しなかった。サイクリンD1タンパク質のレベルは24時間及び30時間の磁界ばく露後に低下した。共にCdk阻害因子である、p16INK4a及びp21CIP1タンパク質レベルには、それぞれ1時間及び12時間後、6時間及び12時間後に上昇が認められた。但し、どちらのCdk阻害因子のレベルも、24時間及び30時間のより長時間のばく露後には低下した。
本研究の結果は、ヒト羊水細胞の細胞周期のG1期に対する磁界ばく露の阻害作用を示唆している。

研究の種別:

研究助成

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