研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[携帯電話基地局への近接度ががん発生率に及ぼす影響力] epidem.

[Influence of proximity to mobile telephony transmitters on cancer incidence]

掲載誌: Umwelt · Medizin · Gesellschaft 2004; 17 (4): 326-332
Journal partially peer-reviewed/peer-review process unclear

この研究は、携帯電話の送信機アンテナ周辺居住者が悪性腫瘍罹患リスクの上昇にさらされているか否かを調査した。調査に使用されたデータは、1994年から2004年までの患者の病歴のPCファイルに基づいた。データ保護を堅持しながら、約1000人の患者の個人データを評価した。その結果、1993年以来稼働していた携帯電話用送信機サイトから400メートルまでの距離に過去10年間居住していた患者群では、それより遠方に居住していた患者群に比べ、新規発症のがん症例の割合が有意に高かったことが示された;患者は平均で8年早く病気になったことが示された;1999年から2004年の間、つまり送信設備が5年間運用された後、この地域の外のナイラの住民と比較して、設備付近地域の住民では、がんを発症する相対的リスクは3倍であった、と報告している。この論文はドイツ語論文である。掲載誌であるUmwelt-Medizin-Gesellschaft(環境医学会誌)についてfemuは「査読に関する情報が得られていない」と注記している。

研究の目的(著者による)

ドイツにおいて実施した研究の目的は、携帯電話送信装置の近くに住む人々は悪性腫瘍リスクが高いかどうかを調査することであった。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 1994-2004年の期間における外側円での居住:近くの基地局までの距離が400m超
集団 2 1994-2004年の期間における内側円での居住:近くの基地局までの距離が400m未満
参照集団 3 1999-2004年の期間における外側円での居住:近くの基地局までの距離が400m超
集団 4 1999-2004年の期間における内側円での居住:近くの基地局までの距離が400m超

調査対象集団

調査規模

タイプ
合計 967
その他:

がん症例34人:円内18人、円外16人

統計学的分析方法:

結論(著者による)

ナイラの住民967人のうち320人が、基地局から400m以内の円内に住んでいた。
結果は、携帯電話送信装置の400m以内に住む患者について、より遠くに住む患者と比較して、悪性腫瘍リスク上昇を示した。1999-2004年に、携帯電話送信装置の近傍に住む患者についての悪性腫瘍リスクが3倍に増加した。

研究助成

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