研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[ELF電磁界による乳がん細胞でのタモキシフェン耐性の誘導] med./bio.

Induction of tamoxifen resistance in breast cancer cells by ELF electromagnetic fields.

掲載誌: Biochem Biophys Res Commun 2005; 336 (4): 1144-1149

この研究は、乳がん細胞株MCF-7の2つの異なるクローン細胞(MCF-7 p181およびMCF-7 p40)において、低周波電磁界ばく露がタモキシフェンの抗エストロゲン作用を阻害するか否かを実験で調べた。非常に一様な50Hz磁界を、磁束密度レベルを変えて(0.2、1.2、10、100 μT)、それぞれのクローン細胞に7日間ばく露した。4つの磁束密度レベルで、タモキシフェンの抗エストロゲン作用の用量反応曲線を得た。その結果、4つの磁束密度レベルでのタモキシフェンの用量反応曲線から50 %阻害レベル(IC(50))の値が得られた;タモキシフェンの用量反応曲線は、磁束密度依存的に高濃度方向へシフトし、それは1.2 μTで最も大きかった、と報告している。

研究目的(著者による)

低周波電磁界ばく露がタモキシフェンの抗エストロゲン活性を妨げるかどうかを調べること。

詳細情報

乳がん細胞株MCF-7の2つの異なるクローンを、極めて一様な50Hz電磁界ばく露し、各種の界強度でタモキシフェンの量‐反応曲線からIC50(抑制濃度50%)値を計算した。

タモキシフェンは、エストロゲン受容体陽性の乳がん治療に約30年間用いられている。進行したエストロゲン陽性乳がん患者の大半は、当初はタモキシフェン治療が有効だが、彼女らの腫瘍の多くは再発し、そうなると同治療がもう通用しなくなる。

10-8 - 5 x 10-6 Mに最終濃度を上昇させたタモキシフェン溶液を用いた。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 7 days
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 7 days
ばく露3: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 7 days
ばく露4: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 7 days

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 7 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • coil connected to the signal generator.
チャンバの詳細 Incubator maintained at 37°C with CO2 concentration kept at 5%.
ばく露装置の詳細 The coils were dimensioned in such a manner that the induced magnetic field was homogeneous in the center space of the incubator where the cells were kept. Exactly the same time duration and set-up conditions were used for sham exposure but in the absence of magnetic field.
Additional information For heating, a bifilar copper coil was supplied with an anti parallel current so that the net applied static field of the heating coil was nulled.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 100 µT - 測定値 - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 7 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 10 µT - 測定値 - -

ばく露3

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 7 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1.2 µT - 測定値 - -

ばく露4

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 7 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 200 nT - 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

タモキシフェンの量‐反応曲線に、より高い濃度に対して1.2µTで最大の応答となる、界強度依存性のシフトが見られた。仮説上、長期間の治療後の乳がんに見られるタモキシフェン耐性に、電磁界が寄与し得る。

研究の種別:

研究助成

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