研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[ヒトの運動制御に対する低強度磁界の一過性の影響] med./bio.

Transient effect of low-intensity magnetic field on human motor control

掲載誌: Med Eng Phys 2006; 28 (8): 827-836

超低周波(ELF)磁界MF)が生物学的システムにどう影響するかについては、未だ定まったコンセンサスはない。しかしながら、本情報は新しいガイドラインを確立する上で、たいへん重要である。そのガイドラインが言及するのは(ⅰ)電子機器の新しい設計、(ⅱ)ばく露労働者(例えば電気保線工手)の労働条件、そして一般市民の問題として、(ⅲ)人へのリスク管理のための政策、といったことになろう。本研究は、頭部の高さに合わせた正弦波50Hz、1000μTのMFが、ヒトの人差指の姿勢振戦に与える効果を、ウェーブレット解析法を用いて評価する。MFとリンクした振戦時系列における一過性の事象が探知できることに加え、この方法が用いられたのは、MF の「オン」「オフ」状態間の違い、対照設定型実験プロトコルでの真と偽ばく露間の違いを評価するためであった。結果が示すところは、一過性の事象も、MF の「オフ-オン」「オン-オフ」推移効果も、姿勢振戦時系列の中に現れたことである。驚くべきことに、予測しなかった、振戦平均パワーにおける顕著な時間依存低減が、20シリーズの記録に沿って見出された。興味深いことに、この効果は、MFに接しているとき顕著に、いっそう明白であった。これらの結果が示唆するところは、ELF MF が運動制御に与えるリラクシング効果が姿勢振戦の強度の弱化という結果に至ったことである。

研究目的(著者による)

本研究は、一過性の50Hz、1mTの磁界の移行(「オン」から「オフ」、またはその逆)が、体位性振戦に対して一過性の影響を生じ得るかどうかを判定するために実施した。

詳細情報

年齢20-50歳の24人の健康な男性が、磁界ばく露及び偽ばく露の両方を含む65分間の単一のセッションに参加した。参加者は人差し指を固定位置に保持しなければならなかった。磁界の移行の前(記録開始)から後(記録終了)までの10秒間に体位性振戦を記録した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: 14 min real or sham exposure , 3 min rest, 14 min real or sham exposure , 3 min rest,... for 65 min; real exposure consisting of 2 power off-on and 2 power on-off transitions of 62 s each

General information

for further information on the setup see: Nguyen DH., Richard D., Plante M., "Système de génération du champ magnétiques et de commande des essais pour l'étude de l'effet des champs magnétiques sur le système nerveux central et périphérique par l'exploration des tremblements." Hydro-Québec Montréal 2004

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 14 min real or sham exposure , 3 min rest, 14 min real or sham exposure , 3 min rest,... for 65 min; real exposure consisting of 2 power off-on and 2 power on-off transitions of 62 s each
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • 詳細不明
ばく露装置の詳細 magnetic field centered at the level of the testperson's head
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT - - - -

Reference articles

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露中

研究の主なアウトカム(著者による)

磁界ばく露磁界の移行の影響(オン/オフ)を生じなかった。心拍及び皮膚温度はどちらも影響されなかった。
体位性振戦の「平均有意力」は、磁界の移行とは独立に、記録開始後よりも記録開始時で有意に高く、偽ばく露よりも磁界ばく露時により強調された。
これらのデータは、体位性振戦の強度減衰を生じる、運動制御に対する超低周波電磁界の弛緩効果を示している。

研究の種別:

研究助成

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