研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[反復的な50Hzパルス電磁界はラットの胸部大動脈リングの弛緩反応における糖尿病による障害を改善する] med./bio.

Repetitive 50 Hz pulsed electromagnetic field ameliorates the diabetes-induced impairments in the relaxation response of rat thoracic aorta rings.

掲載誌: Int J Radiat Biol 2009; 85 (8): 672-679

この研究は、パルス電磁界PEMF、50 Hz、5 mT)の反復ばく露により、ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットおよび健康な対照ラットの胸部大動脈輪に誘発される機械的応答および膜電位変化を調べた。体重250〜290 gの60匹のオスのウィスターラットを無作為に2群(各n = 30)に分け、一方の群には、ストレプトゾトシンを尾静脈注射して、真性糖尿病(DM)誘発させ、DM群とした。他方の群は、0.9 %生理食塩水で処理され、非DM群と見なされた。両方の群はそれぞれ、PEMFばく露擬似ばく露のサブグループ(それぞれn = 15)に分けられた。PEMFばく露は、毎日、30分間のばく露を15分間隔で4回与え、これを30日間繰り返した。ばく露実験終了後に、すべてのラットから胸部大動脈輪を摘出し、さまざまな反応を試験するために選択された化学薬品の存在下または非存在下で、大動脈輪の収縮と弛緩反応、膜電位変化を評価した。その結果、胸部大動脈輪の弛緩反応は、非DM群に比べ、DM群で有意に減少した;DM群では、PEMFばく露によるアセチルコリンに対する弛緩反応上昇およびフェニレフリンに対する濃度反応低下が有意であった;静止膜電位は、非DM群に比べ、DM群で有意に高かった;一酸化窒素NO)の阻害剤は、すべての群で一過性過分極を有意に引き起こした;カリウムチャネル活性の阻害剤は、膜の脱分極を引き起こした;しかし、PEMFばく露を与えたDM群では、いかなる膜電位への影響も生じなかった;以上の知見は、PEMFによる治療が、糖尿病による胸部大動脈輪の弛緩反応の障害を改善する可能性を示唆する、と報告している。

研究目的(著者による)

糖尿病及び非糖尿病ラットの(輪切りにした)胸部大動脈における、反復的なパルス電磁界による機構的反応及び膜電位の変化を調べること。

詳細情報

糖尿病は、神経伝達物質に対する血管反応性の障害と関連している。パルス電磁界は身体に弱い電流を生じ、これがニューロンにおける脱分極再分極過分極を生じ得る。これが、ラットにおいてニューロン活性及びこれに関連する血管性応答を潜在的に改変し得るという仮説が立てられている。

雄のラットを4群(各群15匹)に分けた:1) 糖尿病ばく露、2) 糖尿病+偽ばく露、3) 健康ラットばく露、4) 健康ラット+偽ばく露。ストレプトゾトシンを投与して糖尿病を生じさせた。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: 4 x 30 min/day with 15 min intervals, for 30 days

General information

animals were divided into four groups: i) sham exposure ii) exposure to pulsed magnetic fields iii) diabetes mellitus + sham exposure iii) diabetes mellitus + exposure to pulsed magnetic fields

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • pulsed
ばく露時間 4 x 30 min/day with 15 min intervals, for 30 days
Additional information It is not clear why the author calls the field a "pulsed magnetic field". No further information given on type of pulse, pulse length etc.
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 400 mm long solenoid with a diameter of 210 mm, with 1400 turns of 1.4 mm soft copper wire; rats placed in a 40 cm x 17 cm x 13 cm plexiglas cage inside the solenoid; magnetic field homogeneuos in this area
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 5 mT - 測定値 - -

Reference articles

  • Itegin M et al. (1995): [ラットの横隔膜でのATPase活性と生物電気及び機械特性に対する直流磁界の効果]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

機構的反応:大動脈リングの収縮は、糖尿病ラット(グループ1、2)よりも非糖尿病ラット(グループ3、4)で有意に多かった。糖尿病グループでは、収縮はグループ1で有意に少なかった。フェニレフリンでの準最大収縮後、アセチルコリンは全ての大動脈リングに有意な弛緩を生じ、これは糖尿病グループ(グループ1、2)で有意に少なかった。糖尿病グループでは、弛緩はばく露群で有意に多かった(1)。

膜電位の変化:安静時電位は非糖尿病グループよりも糖尿病グループで有意に高かった。パルス電磁界ばく露膜電位有意な影響を生じなかった。

糖尿病は胸部大動脈リングの弛緩を低下させ、膜電位に影響した。パルス電磁界での処理は、リングの弛緩反応における糖尿病による障害を改善した。

研究の種別:

研究助成

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