研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[正弦波ELF磁界は小脳のシナプトソーム膜におけるアセチルコリンエステラーゼ活性に影響する] med./bio.

Sinusoidal ELF magnetic fields affect acetylcholinesterase activity in cerebellum synaptosomal membranes

掲載誌: Bioelectromagnetics 2010; 31 (4): 270-276

この研究は、シナプトソーム膜のアセチルコリンエステラーゼ(AChE)活性に対する超低周波磁界(ELF-MF)の影響を調べた。その結果、振幅がさまざまな50Hz正弦波磁界を与えた場合、振幅閾値約0.74mTで、AChE活性は約27 %低下した;酵素活性の低下は、磁界ばく露時間とは無関係であり、完全に可逆的であった;同じ振幅静磁界ばく露でも、同じ結果が得られた;さらに、酵素活性抑制効果は、60、200、350、および475Hzの周波数ウィンドウで広く見られ、各ウインドウで最大値は異なっていた;シナプトソーム膜をTritonで溶解させた場合、ELF-MFはAChE活性に影響を与えなかった;この知見から、不活化条件を決める上で、膜および酵素脂質結合が重要な役割を持つことが示唆された、と報告している。

研究目的(著者による)

げっ歯類のシナプトソーム膜のアセチルコリンエステラーゼの酵素活性に対する、振幅が0.5-2.0mTの超低周波磁界または静磁界の影響を調べること。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 5 min
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 1 min
ばく露3: 10–650 Hz
ばく露時間: continuous for 1 min
ばく露4:
  • DC/static
ばく露時間: continuous for 5 min
ばく露5:
  • DC/static
ばく露時間: continuous for 1 min

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 5 min
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 coil consisting of 100 turns of 0.5 mm diameter copper wire with 0.1 mm insulation wound around a 6 cm high cylindrical plexiglass sample holder with a diameter of 2 cm; 4 cm high 1 cm x 1 cm polycarbonate cuvette placed in the center of the sample holder; uniform MF in the sample holder
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT maximum 計算値 - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 1 min
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 0.25 mT minimum 計算値 - -
磁束密度 2 mT maximum 計算値 - -

ばく露3

主たる特性
周波数 10–650 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 1 min
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT maximum 計算値 - -

ばく露4

主たる特性
周波数
  • DC/static
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 5 min
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT maximum 計算値 - -

ばく露5

主たる特性
周波数
  • DC/static
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 1 min
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 0.4 mT minimum 計算値 - -
磁束密度 1.6 mT maximum 計算値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

振幅が異なる正弦波50Hz磁界へのばく露は、アセチルコリンエステラーゼ酵素活性を約27%低下させ、その閾値は約0.74mTであった。酵素活性の低下はばく露持続時間には依存せず、完全に可逆的であった(ばく露中にのみ検出できた)。

振幅が同じ静磁界ばく露についても同じ結果が得られた。更に、酵素活性に対する抑制作用は周波数の窓を超えて拡大し、60、200、350、475Hzでは最大値が異なる。

シナプトソーム膜をトリトン(ナイーブな状態の膜タンパク質を可溶化する)で可溶化した場合、酵素活性に対する磁界の影響は見られず、このことは、不活性化のための条件を判定する上で、膜、ならびに、脂質酵素とのリンケージの極めて重要な役割を示唆している。

研究の種別:

研究助成

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