研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[モルモットの脳組織における酸化ストレス及び抗酸化酵素活性に対する異なる強度の50Hz電界へのばく露の影響] med./bio.

Effects of exposure to 50 Hz electric field at different strengths on oxidative stress and antioxidant enzyme activities in the brain tissue of guinea pigs

掲載誌: Int J Radiat Biol 2008; 84 (7): 581-590

この研究は、モルモットに様々なばく露条件の50 Hz超低周波(ELF)電界(EF)を与え、ばく露後の脳ホモジネートにおける脂質過酸化レベルと抗酸化酵素活性への影響を調べた。ばく露したELF-EFは、電界強度が2 kV / m、2.5 kV / m、3 kV / m、3.5 kV / m、4 kV / m、4.5 kV / mおよび5 kV / m、電界の方向は垂直または水平方向で、それぞれ、1日8時間のばく露を3日間与えた。脂質過酸化レベルと抗酸化状態は、マロンジアルデヒドMDA)、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ(CAT)、グルタチオンペルオキシダーゼGSH-Px)の活性測定により評価した。また、キサンチンオキシダーゼ(XO)、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)、アデノシンデアミナーゼ(ADA)の活性も評価した。その結果、脂質過酸化レベルおよび酵素活性は、どちらの電界方向においても、すべて電界強度において、ばく露群は擬似ばく露群に比べて有意な変化を示さなかった;さらに、電界の方向による差も観察されなかった、と報告している。

研究目的(著者による)

本研究の狙いは、50Hz超低周波電界へのばく露がモルモットの脳に酸化ストレスを生じ得るかどうかを評価することであった。

詳細情報

112匹の、約14週齢の雄の白色モルモットを用いた。ばく露期間の8時間後に動物を麻酔し、断頭して屠殺した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 8 h/day on 3 days

General information

fields were applied a) in vertical direction b) in horizontal direction

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • electric field
ばく露時間 continuous for 8 h/day on 3 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • copper plate capacitors
ばく露装置の詳細 80 cm x 80 cm x 18 cm wooden frame with copper plates on the top and bottom (vertical field) or on the right and left side (horizontal field); guinea pigs in a plastic cage inside the frame
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
電界強度 2 kV/m minimum 測定値および計算値 - -
電界強度 2.5 kV/m - 測定値および計算値 - -
電界強度 3 kV/m - 測定値および計算値 - -
電界強度 3.5 kV/m - 測定値および計算値 - -
電界強度 4 kV/m - 測定値および計算値 - -
電界強度 4.5 kV/m - 測定値および計算値 - -
電界強度 5 kV/m maximum 測定値および計算値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

全てのばく露群と偽ばく露群には、全ての電界強度及び電界の向きで、脂質過酸化のレベル及び酵素活性に有意差は認められなかった。
著者らは、より高い電界強度で変化の僅かな傾向が認められる可能性があることから、5kV/mよりも強い電界の影響を判定するには、更なる研究が必要であると示唆している。

研究の種別:

研究助成

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