研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[脳のがんの職業的及び環境的リスク要因:フランスにおけるパイロット症例対照研究] epidem.

Occupational and environmental risk factors for brain cancer: a pilot case-control study in France.

掲載誌: Presse Med 2010; 39 (2): e35-e44

この研究は、悪性原発性脳腫瘍(MPBT)の化学的、物理的リスク要因を評価するため、フランス南東部の主要な脳腫瘍治療センタにおいて、2005年に新しくMPBTと診断された全ての患者を含む症例対照研究パイロット研究として実施した。症例122名、年齢や性別および病院をマッチさせた対照122名であった。産業医が病院の中で全ての症例・対照と面談して、標準化質問票を使い、MPBTの疑わしいリスク要因(職業歴、職場および余暇活動での様々なばく露を含む)の情報を収集した。その結果、脳腫瘍の主要なリスク要因として特別な職業は確認されなかった;余暇活動での接着剤使用者での有意なリスク上昇(OR=17.58, 95% 信頼区間1.75-176.62)、携帯電話基地局近傍居住者での有意なリスク低下(OR=0.49,95% CI 0.26-0.92)が見られた、などの所見を報告している。

研究の目的(著者による)

脳のがんの職業的及び環境的リスク要因を調査するため、フランス南東部においてパイロット症例対照研究を実施した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 携帯電話使用:なし
集団 2 携帯電話使用: < 4時間‐年
集団 3 携帯電話使用: 4 - 36時間‐年
集団 4 携帯電話使用: > 36時間‐年
参照集団 5 過去5年間のコンピュータを使ったレジャー作業:なし
集団 6 過去5年間のコンピュータを使ったレジャー作業: < 5時間/週
集団 7 過去5年間のコンピュータを使ったレジャー作業: ≥ 5時間/週
参照集団 8 過去5年間のコンピュータを使った労働作業:なし
集団 9 過去5年間のコンピュータを使った労働作業: < 4時間/週
集団 10 過去5年間のコンピュータを使った労働作業: ≥ 4時間/週
集団 11 電磁界への職業ばく露
集団 12 マイクロ波周波数への職業ばく露
集団 13 電力線まで < 500mの距離に居住
集団 14 携帯電話タワーまで < 500mの距離に居住

調査対象集団

症例集団

対照集団

調査規模

症例 対照
適格者 162 -
参加者 122 122
統計学的分析方法: (調整: )

結論(著者による)

携帯電話使用と脳腫瘍との関連は認められなかった。コンピュータ使用時の超低周波電磁界へのばく露は全体として関連を示さず、4時間/日未満の職業的使用のサブグループにおいてのみ、統計的に有意なリスク上昇が認められた。携帯電話基地局から500m未満の距離に住むことは、統計的に有意な脳腫瘍リスク低下と関連していた。

研究の限界(著者による)

小規模な研究サンプルと、脳腫瘍を有することに関連する想起バイアスが、リスク要因の評価に影響を及ぼしたかも知れない。

研究助成

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