研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[台湾における自己申告の電磁過敏症の罹患率および精神医学的合併症:集団ベースの研究] epidem.

Prevalence and psychiatric comorbidity of self-reported electromagnetic field sensitivity in Taiwan: A population-based study

掲載誌: J Formos Med Assoc 2011; 110 (10): 634-641

この研究は、自己申告の電磁過敏症(SREMFS)の人の有病率を推定し、精神医学的病状などのSREMF関連要因を特定することを目的にした調査を実施した。台湾の全国規模のコンピュータ支援電話インタビューシステムから選出された合計1251人の成人が電話調査に応じ、種々の環境要因に関するリスク認知、およびそれらが健康と安寧に与える影響について回答した。その結果、SREMFSを有する人の推定有病率は13.3 %(95 %信頼区間:11.2 - 15.3)であった;65歳を超える人々は、電磁界に対する感受性を報告するリスクが低いことに関連していた;健康状態が非常に悪いと自己申告した人々、働くことができなかった人々、および精神医学的病状を有する人々は、 SREMFSを持つリスクが高まることに関連していた;以上の知見から、台湾の一般人口におけるSREMFSの有病率は、西側諸国で報告されたものよりも高いこと、精神医学的病状を有する人々は電磁界に対する感受性を報告する可能性が高くなることが示唆された;ただし、本研究のような断面調査デザインでは、同定された相関関係と電磁界感受性との因果推論ができない、と報告している。

研究の目的(著者による)

自己申告の電磁過敏症有病率を推定し、電磁過敏症の報告に関連する要因を同定するため、台湾において横断的研究を実施した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ:

ばく露

ばく露評価

調査対象集団

調査規模

タイプ
合計 10,800
適格者 5,643
参加者 1,251
評価可能 1,197
統計学的分析方法:

結論(著者による)

台湾における自己申告の電磁過敏症有病率は13.3%であった。以下の要因が、過敏症を報告するより高いリスクと関連していた:自己申告の健康状態が非常に悪い、働けない、精神医学的な病的状態。
著者らは、台湾の一般公衆における自己申告の電磁過敏症有病率は、西側諸国で報告されている有病率よりも高い、と結論付けている。精神医学的な病的状態の人々は、電磁過敏症を報告する可能性がより高い。

研究の限界(著者による)

著者らは、横断的なデザインが、同定された全ての要因と電磁過敏症との因果関係の推論を阻んでいることに留意している。

研究助成

関連論文