研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[2つのヒト骨肉腫細胞株(MG-63及びSaos-2)における細胞接着分子発現に対する50Hz正弦波磁界の影響] med./bio.

Effects of a 50 Hz sinusoidal magnetic field on cell adhesion molecule expression in two human osteosarcoma cell lines (MG-63 and Saos-2)

掲載誌: Bioelectromagnetics 2003; 24 (5): 327-338

この研究は、磁束密度0.5 mTの50 Hz正弦波磁界ばく露(7日間または14日間)が、2種類のヒト骨肉腫細胞株(MG-63およびSaos-2)の細胞接着分子(CAM)の発現を変動させるか否かを調べた。特に、2つの重要なインテグリンコラーゲン受容体であるVLA-2とフィブロネクチン受容体であるVLA-5)、およびCD44の発現を中心に分析した。細胞表面形態(走査電子顕微鏡)、細胞増殖特性(増殖曲線と細胞周期相分布)、および細胞死壊死アポトーシス)も調べた。その結果、MG-63およびSaos-2のどちらにおいても、対照細胞ばく露細胞の間に、表面形態および細胞死の変化は生じなかった;その一方、MG-63細胞において、細胞増殖、それからフィブロネクチンおよびCD44の発現有意な変化が見られた、と報告している。

研究目的(著者による)

磁束密度が0.5mTの正弦波50Hz磁界が2つのヒト骨肉腫細胞株細胞接着分子発現における変化を生じ得る可能性を調べること。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 7 days
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 14 days

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 7 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 Incubator maintained at 37°C.
ばく露装置の詳細 25 cm² tissue culture flask kept in the incubator. The coils were also located in the incubator.
Additional information Sham exposures were performed in the same incubator but inside a µ-metal cylinder(30 cm long x 23.5 cm diameter) with AC MF 0.84 µT and static component 0.22 µT. Control sample separate incubator with ambient AC MF 0.36 µT and static MF 40.2 µT.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 500 µT peak 測定値 - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 14 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 500 µT peak 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

データは、どちらの細胞株においても、ばく露細胞と対照細胞細胞表面の形態及び細胞死に変化はないことを示したが、MG-63細胞では、細胞の成長ならびにフィブロネクチン及びCD44発現有意な変化が認められた。

この知見を、各種のがん細胞の機能(特に増殖及び転位)の制御において細胞接着分子が果たす重要な役割の観点で考察した。

研究の種別:

研究助成

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