研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[携帯電話またはコードレス電話の使用と唾液腺腫瘍との間に関連なし] epidem.

No association between the use of cellular or cordless telephones and salivary gland tumours

掲載誌: Occup Environ Med 2004; 61 (8): 675-679

この研究は、携帯電話またはコードレス電話の使用と唾液腺腫瘍リスクとの関連を症例対照研究デザインで調査した。症例は、スウェーデンの6つの地域のがん登録から得られた。症例1人に対し4人の対照が、性別、5歳の年齢階級をマッチさせて、選出された。合計で、生存している症例293人、対照1172人を調査に含めた。結果として、参加したのは症例267人(参加率91 %)、対照1053人(同90 %)であった;全体的に、有意なリスク上昇は見られなかった;オッズ比は、アナログ電話使用では0.92(95 %CI 0.58 - 1.44)、デジタル電話の使用では1.01(95 %CI 0.68 - 1.50)、コードレス電話の使用では0.99(95 %%0.68 - 1.43)であった;唾液腺の部位別においても同様であった;腫瘍誘導期間または潜伏期の影響は見られなかったが、10年以上の使用を報告した参加者はほとんどいなかった、と報告している。

研究の目的(著者による)

携帯電話またはコードレス電話の使用と唾液腺腫瘍リスクとの関連を、スウェーデンにおける症例対照研究で調査した。

詳細情報

診断前の1年以内に携帯電話またはコードレス電話の使用を開始した被験者は非ばく露群に分類した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 非ばく露
集団 2 アナログ、450 MHz、潜伏期間 > 1 年
集団 3 アナログ、450 MHz、潜伏期間 > 5 年
集団 4 アナログ、450 MHz、潜伏期間 > 10 年
集団 5 アナログ、900 MHz、潜伏期間 > 1 年
集団 6 アナログ、900 MHz、潜伏期間 > 5 年
集団 7 アナログ、900 MHz、潜伏期間 > 10 年
集団 8 アナログ、全体、潜伏期間 > 1 年
集団 9 アナログ、全体、潜伏期間 > 5 年
集団 10 アナログ、全体、潜伏期間 > 10 年
集団 11 アナログ、≤ 91 時間、潜伏期間 > 1 年
集団 12 アナログ、≤ 91 時間、潜伏期間 > 5 年
集団 13 アナログ、≤ 91 時間、潜伏期間 > 10 年
集団 14 アナログ、> 91 時間、潜伏期間 > 1 年
集団 15 アナログ、> 91 時間、潜伏期間 > 5 年
集団 16 アナログ、> 91 時間、潜伏期間 > 10 年
集団 17 デジタル、潜伏期間 > 1 年
集団 18 デジタル、潜伏期間 > 5 年
集団 19 デジタル、≤ 64 時間、潜伏期間 > 1 年
集団 20 デジタル、≤ 64 時間、潜伏期間 > 5 年
集団 21 デジタル、> 64 時間、潜伏期間 > 1 年
集団 22 デジタル、> 64 時間、潜伏期間 > 5 年
集団 23 コードレス、潜伏期間 > 1 年
集団 24 コードレス、潜伏期間 > 5 年
集団 25 コードレス、≤ 183 時間、潜伏期間 > 1 年
集団 26 コードレス、≤ 183 時間、潜伏期間 > 5 年
集団 27 コードレス、> 183 時間、潜伏期間 > 1 年
集団 28 コードレス、> 183 時間、潜伏期間 > 5 年
集団 29 全体、潜伏期間 > 1 年
集団 30 全体、潜伏期間 > 5 年
集団 31 全体、潜伏期間 > 10 年
集団 32 全体、≤ 182 時間、潜伏期間 > 1 年
集団 33 全体、≤ 182 時間、潜伏期間 > 5 年
集団 34 全体、≤ 182 時間、潜伏期間 > 10 年
集団 35 全体、> 182 時間、潜伏期間 > 1 年
集団 36 全体、> 182 時間、潜伏期間 > 5 年
集団 37 全体、> 182 時間、潜伏期間 > 10 年

調査対象集団

症例集団

対照集団

調査規模

症例 対照
適格者 415 -
連絡担当者 293 1,172
参加者 267 1,053
参加率 91 % 90 %
統計学的分析方法: (調整: )

結論(著者による)

携帯電話またはコードレス電話の使用と唾液腺腫瘍リスクとの関連は認められなかった。

研究助成

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