研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[メラトニン及びN-テルト-ブチル-α-フェニルニトロンはラット脳細胞が60 Hz磁界によりDNA一本鎖及び二本鎖が損傷されるのを防ぐ] med./bio.

Melatonin and N-tert-butyl-alpha-phenylnitrone block 60-Hz magnetic field-induced DNA single and double strand breaks in rat brain cells.

掲載誌: J Pineal Res 1997; 22 (3): 152-162

この研究は、著者らが先行研究で報告した「60Hz正弦波磁界急性ばく露(2時間)を受けたラット細胞でのDNA一本鎖および二本鎖の切断の増加」が、メラトニンおよびとスピントラップ化合N-tert-butyl-alpha-phenylnitrone(PBN)の処置により阻害されるか否かを調べた。ラットは、 0.5mT、60Hz磁界の2時間ばく露の直前および直後に、メラトニン(1mg / kg、皮下)またはPBN(100mg / kg、腹腔内)を注射した。その結果、2つの薬物処理のどちらにおいても、脳細胞における磁界誘導DNA一本鎖および二本鎖切断は阻止されたことが示された;メラトニンおよびPBNは効率的なフリーラジカルスカベンジャーであるので、この実験データは、フリーラジカルが磁場誘発DNA損傷において役割をもつ可能性が示唆された、と報告している。

研究目的(著者による)

メラトニン及びN-tert-ブチル-α-フェニルニトロン(PBN)処理は脳細胞のDNAに対する磁界遺伝毒性を阻害できるかを調査すること。

詳細情報

先行研究で著者らは、正弦波60Hz磁界への急性ばく露後のラットの脳細胞におけるDNA単鎖切断及び二重鎖切断の増加を見出した(publication 2063参照)。
2時間のばく露の直前及び直後に、ラットメラトニン(1mg/kg)またはPBN(100mg/kg)を投与した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 60 Hz
ばく露時間: 2 h

ばく露1

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 2 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 plastic cage with styroform cover (45 cm long x 21 cm wide x 22 cm high)
ばく露装置の詳細 two seperate rooms with two similar exposure systems; the cage placed in the center of the space between the coils
Additional information Helmholtz coil arranged in such a way that it could be switched "in phase" to generate MF or in "bucking mode" to cancel the fields generated by each other. Bucking mode was used as control to determine the effects of heat and vibration.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 140 nT - 測定値 - ambient MF
磁束密度 0.5 mT unspecified 測定値 unspecified -

Reference articles

  • Lai H et al. (1993): [ラット中枢神経コリン作動性神経系に及ぼす60 Hz磁界の効果]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

データは、60Hz磁界への急性ばく露ラットの脳細胞におけるDNA単鎖切断及び二重鎖切断を増加させるという、先行研究の知見を確認した。
どちらの薬剤処理も磁界による脳細胞のDNA単鎖及び二重鎖切断を阻害した。メラトニン及びPBNは効率的なフリーラジカルスカベンジャーであることから、これらの知見は、磁界によるDNA損傷ではフリーラジカルが役割を担っているかも知れないことを示唆している。

研究の種別:

研究助成

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