研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[超低周波電磁界はSH-SY5Y神経芽腫細胞株におけるアルファ3、アルファ5及びアルファ7ニコチン性受容体のサブユニット遺伝子の発現に影響しない] med./bio.

Extremely low-frequency electromagnetic field (ELF-EMF) does not affect the expression of alpha3, alpha5 and alpha7 nicotinic receptor subunit genes in SH-SY5Y neuroblastoma cell line

掲載誌: Toxicol Lett 2006; 164 (3): 268-277

神経のニコチンアセチルコリン受容体(nAChRs)は、認知学習記憶発現、活性変化など機能的プロセスに含まれており、アルツハイマー(AD)、パーキンソン病、精神分裂症などの神経障害に絡んでいる。疫学研究は、電磁界へのばく露は、ADなどの神経変性疾患の病因に関係するかもしれない。生理学病理学な条件で、nAChRの役割が与えられるとすると、低周波電磁界神経変性化過程に含まれる分子発現に影響を与える可能性があるかどうか驚きがある。この可能性を調べるために、ブラインドで、ヒトの線繊芽細胞腫系SH-SY5Yを50Hz磁界ばく露させた後のα3、5,7ニコチン様サブユニットの発現を調べた。その際には、様々な磁束密度ばく露時間を用いた。ADの神経伝送システムに最も影響があるコリン作動性ニコチン系の関連する西部の発現低周波電磁界ばく露させた環境では分子レベルに変化を与えなかった。

研究目的(著者による)

ヒト線維芽腫細胞株SH-SY5Y(ニューロンニコチン性アセチルコリン受容体を調べるための十分に確立された細胞モデル)におけるニューロンニコチン性受容体発現に対する、超低周波電磁界の影響を調査すること。

詳細情報

ニューロンニコチン性アセチルコリン受容体は、認知学習及び記憶を含む、数々の機能的プロセスに関与している。それらの発現及び/または活性の変化は、アルツハイマー病パーキンソン病、統合失調症等の各種の神経学疾患に関与している。
本研究は、欧州連合によって助成された、REFLEXプロジェクト(低エネルギーの電磁界ばく露からの潜在的環境ハザードについての敏感なイン・ビトロ手法を用いたリスク評価)の一部である。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: intermittent, 5 min on 5 min off for 16 h
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 16 h
ばく露3: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 48 h

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
偏波
  • linear
ばく露時間 intermittent, 5 min on 5 min off for 16 h
Additional information 50 Hz power line signal was based on weighted sum of 50 Hz harmonics up to 1250 Hz and corresponded to the maximum accepted distortion for low to medium voltage power systems defined by International Electrotechnical Commission.
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • two 4 coil system each of which placed inside a µ-metal shielded box
Additional information Magnetic field was perpendicular to the dish plane. For intermittent exposures, the magnetic field was linearly ramped during on/off switching with rise and fall time of 3 s.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 2 mT effective value 測定値および計算値 - -
磁束密度 1 mT effective value 測定値および計算値 - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
偏波
  • linear
ばく露時間 continuous for 16 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 2 mT effective value 測定値および計算値 - -
磁束密度 1 mT effective value 測定値および計算値 - -

ばく露3

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
偏波
  • linear
ばく露時間 continuous for 48 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT effective value 測定値および計算値 - -

Reference articles

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

全体的な遺伝子発現試験で幾つかの遺伝子は、超低周波電磁界ばく露後に下方制御または情報制御された。

超低周波電磁界へのばく露の際、α3を含む受容体に対応するエピバチジン結合部位が増加した。

これらの結果は、SH-SY5Y細胞ニューロンニコチン性受容体発現に対する超低周波電磁界の影響を調べるのに適したモデルであることを示唆している。

データは、コリン作用性ニコチン性システムの幾つかの関連要素の発現には、超低周波電磁界への環境ばく露による分子レベルでの変化はないことも示した。異なるばく露プロトコルを用いたにもかかわらず、著者らは、この受容体ファミリーに対する超低周波電磁界の影響を証明することができなかった。

研究の種別:

研究助成

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