研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[50Hz、100µTの磁界へのラットのばく露は活性化されたTまたはBリンパ球による体外での(ex vivo)インターロイキン産生に影響しない] med./bio.

Exposure of rats to a 50-Hz, 100 µTesla magnetic field does not affect the ex vivo production of interleukins by activated T or B lymphocytes

掲載誌: Bioelectromagnetics 1999; 20 (5): 295-305

この研究は、50Hz直線偏波磁界(100μT)のインビボばく露を受けたラットのマイトジェン活性化脾臓リンパ球からのインターロイキンIL)のエクスビボ生産への影響を、2つの独立した実験で調べた。IL-1およびIL-2は、IL-依存性のげっ歯類T細胞系を用いた増殖アッセイによって測定した。第1実験では、ラット当たり20mg(1週間に4回投与、5 mg/回)の用量で7,12-ジメチルベンズアントラセン(DMBA)で処置したメスのSprague-Dawleyラットに、14週間の磁界ばく露または擬似ばく露を与えた。その結果、IL-1産生には、両群間での有意差が見られなかった、と報告している。第2の実験では、各グループのラットは、磁界ばく露または擬似ばく露を、1日、1週間、または2週間与えられ、それに続いて、脾臓リンパ球の調製および活性化が行われた。その結果、活性化されたBまたはT細胞からのIL-1またはIL-2産生に、ばく露による有意差は見られなかった、と報告している。

研究目的(著者による)

50Hz/100µT磁界ばく露ラットリンパ球に及ぼす イン・ビボでの影響を調査すること。

詳細情報

2つの実験セットアップを実施した:1) 発がん化学物質DMBA(週4回経口投与、各5mg、総量20mgまで)で処理した動物に14週間の磁界ばく露。2) DMBA処理しない動物に1日、1週間、2週間の磁界ばく露。イン・ビトロでばく露後、脾臓リンパ球を採取し、 イン・ビトロで培養した。Tリンパ球及びBリンパ球に対してコンカナバリンA及びヤマゴボウマイトジェンをそれぞれ用いてマイトジェン活性化した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 14 weeks.
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 1 day.
ばく露3: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 7 days.
ばく露4: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 14 days.

General information

Merritt et al.(1983)

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 14 weeks.
Additional information Linearly polarized MF.
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • Four square coils
チャンバの詳細 Trovidur exposure chambers placed on wooden posts in an exposure room / 7.32 m x 4.52 m.
ばく露装置の詳細 Four acrylic cages each 39 cm x 55 cm x 22 cm per exposure chamber with seperate wooden posts placed inside the coil system
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 100 µT effective value 測定値 unspecified -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 1 day.
Additional information Linearly polarized MF.
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • Four square coils
チャンバの詳細 Trovidur exposure chambers placed on wooden posts / 7.32 m x 4.52 m.
ばく露装置の詳細 Four acrylic cages each 39 cm x 55 cm x 22 cm per exposure chamber with seperate wooden posts placed inside the coil system
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 100 µT effective value 測定値 unspecified -

ばく露3

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 7 days.
Additional information Linearly polarized MF.
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • Four square coils
チャンバの詳細 Trovidur exposure chambers placed on wooden posts / 7.32 m x 4.52 m.
ばく露装置の詳細 Four acrylic cages each 39 cm x 55 cm x 22 cm per exposure chamber with seperate wooden posts placed inside the coil system
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 100 µT effective value 測定値 unspecified -

ばく露4

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 14 days.
Additional information Linearly polarized MF.
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • Four square coils
チャンバの詳細 Trovidur exposure chambers placed on wooden posts / 7.32 m x 4.52 m.
ばく露装置の詳細 Four acrylic cages each 39 cm x 55 cm x 22 cm per exposure chamber with seperate wooden posts placed inside the coil system
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 100 µT effective value 測定値 unspecified -

Reference articles

  • Baum A et al. (1995): [DMBAで誘導したラットの乳がん発がんにおける50 Hz、100μT磁界ばく露の影響についての組織病理学的研究]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

インターロイキン産生の変化に対する磁界ばく露有意な影響を証明するためのいずれの試みも失敗した。ゆえに、これらの結果は、同じグループによる先行研究(publication 2357)の知見と対照的である。

研究の種別:

研究助成

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