研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[50 Hz磁界は神経細胞におけるmiR-34b/cのエピジェネティックな変調に影響する] med./bio.

Fifty-Hertz Magnetic Field Affects the Epigenetic Modulation of the miR-34b/c in Neuronal Cells

掲載誌: Mol Neurobiol 2018; 55 (7): 5698-5714

超低周波(ELF)磁界ばく露神経変性疾患リスク上昇と関連付けられているが、その根底にある分子機序は定義されていない。この研究は、マイクロRNA(miRNA、主にmiRs-34)が介在する遺伝子発現の制御が、50 Hz(1 mT)磁界に対するイン・ビトロでの神経細胞の応答の誘導において重要な役割を担っているかどうかを評価するため、ELF磁界が共通のpri-miR-34の転写に影響することで、SH-SY5Yヒト神経芽腫細胞およびマウス初代皮質ニューロンにおけるmiR-34bおよびmiR34cの発現レベルの初期の低下を誘導することが示された。この変調はp53依存性ではなく、miR-34b/cプロモータ内のCpGアイランドマッピングの高メチル化に帰せられるものであるとされた。N-アセチル-1-システインまたはグルタチオンエチルエステルを用いたインキュベーションでは、miR-34b/c発現を復元することはできず、miRs-34はELF磁界による酸化ストレスに応答しないことが示唆された。対照的に、miRs-34は活性酸素種の産出を制御し、恐らくはコンピュータ解析で同定されたミトコンドリア関連miR-34標的を変調することで、ELF磁界がトリガとなるミトコンドリア酸化ストレスに影響することが認められた。また、ELF磁界が、特にmiR-34を直接標的にすることと酸化ストレスの両方を介した刺激により、α-シヌクレインの発現を変化させることが示された。これらの結果は、ELF磁界がイン・ビトロでの酸化還元恒常性および遺伝子発現のエピジェネティック[後成的]な制御を調節する潜在能力を強調しており、ニューロン変性に至る悪影響と素因を与える機序を解明するものである、と著者らは結論付けている。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露2: 50 Hz

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT - 測定値 - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露装置
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT - - - -

Reference articles

  • Benassi B et al. (2016): [超低周波磁界(ELF-MF)ばく露はSH-SY5Y細胞のパーキンソン病誘発性毒素MPPへの感受性を高める]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究助成

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