研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[雌のF344ラットにN-エチル-N-ニトロソウレアで誘発させた神経腫瘍に対する60Hz磁界の潜在的プロモーション作用の評価] med./bio.

Evaluation of the potential promoting effect of 60 Hz magnetic fields on N-ethyl-N-nitrosourea induced neurogenic tumors in female F344 rats

掲載誌: Bioelectromagnetics 2000; 21 (2): 84-93

<目的>ENUを母親に一回投与して仔に発症する脳腫瘍に60Hz磁界促進効果を示すか否かを評価する。 <対象・方法>雌F344を用いた。10~11週齢で交尾させ、妊娠18日にENU 5mg/kgを一回静脈内投与。グループ分けは表1。160匹のENUを投与された母獣をグループⅢ~Ⅶに分けた。ENU投与48時間後から2、20、200、2000μT、60Hz、20時間/日、直線磁界を仔が離乳するまでばく露。2~8匹の仔を生んだが、各グループには1~2匹の雌を残した。 <結果>表2に腫瘍発生率をまとめてある。GⅠ(生食のみ投与)には腫瘍は全くみられない。全部で145の中枢神経腫瘍、70の末梢神経腫瘍がみられたが、磁界のレベルとの関連はみられない。表3、4にはグリア腫を発症した動物の比率が30%~46%にわたることを示す。GroupⅧ(ENU+TPA)とGroupⅡ(ENU)との間には有意差あり。しかし表4に示すようにシャムとばく露群との間にはいずれも有意差は認められていない。図1には65週までの累積腫瘍発生率を示すがばく露群との間に有意差はない。 <結論>今回の実験条件では磁界促進作用はみられなかった。

研究目的(著者による)

このイン・ビボでの研究では、化学的変異原のエチルニトロソ尿素(ENU)にばく露されたラットにおける中枢神経系末梢神経系腫瘍プロモーションに対し、60Hz線形正弦波磁界によって生じる可能性のある影響を調査した。

詳細情報

合計400匹の雌ラットを8群(各50匹)に分けて調査した:1) 非処理、2) ENUのみ、3) ENU+偽ばく露、4-7) ENU+磁界ばく露磁束密度2、20、200、2000µT)、8) 陽性対照(TPA処理)。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 60 Hz
ばく露時間: 20 h on/day, 4 h off/day from 48 h after ENU injection until weaning of the offspring (up to 65 weeks)

General information

rats were treated in 8 groups: i) saline injection ii) 5 mg/kg ENU injection iii) 5 mg/kg ENU injection + sham EMF exposure iv) 5 mg/kg ENU injection + exposure to 2 µT v) 5 mg/kg ENU injection + exposure to 20 µT vi) 5 mg/kg ENU injection + exposure to 200 µT vii) 5 mg/kg ENU injection + exposure to 2000 µT viii) 5 mg/kg ENU injection + 10 µg/kg TPA injection

ばく露1

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
偏波
  • linear
ばく露時間 20 h on/day, 4 h off/day from 48 h after ENU injection until weaning of the offspring (up to 65 weeks)
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 20 identical exposure modules, each containing 8 cages (3 rats per cage), arranged in 5 rows of 4 modules
ばく露装置の詳細 rectangular solenoid
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 2,000 µT maximum 測定値 - -
磁束密度 200 µT - 測定値 - -
磁束密度 20 µT - 測定値 - -
磁束密度 2 µT minimum 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

60Hzの線形正弦波磁界へのばく露は、雌ラットの生存、または中枢神経系末梢神経系腫瘍発生率に影響しなかった。
これらの結果は、磁界には化学的変異原のENUにばく露された雌のラットにおける神経原性腫瘍に対するプロモーション作用はないことを示すものである。

研究の種別:

研究助成

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