研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study, review/survey)

[電磁界の細胞影響] med./bio.

Cellular effects of electromagnetic fields.

掲載誌: Altern Lab Anim 2004; 32 (4): 355-360

この研究は、50 Hz超低周波磁界(ELF MF電力線および電気機器に起因する)と872 MHzまたは900 MHz高周波電磁界RF携帯電話とその基地局から放射される)が細胞オルニチン脱炭酸酵素活性細胞周期動態、細胞増殖、および壊死またはアポトーシス細胞死に及ぼす影響を調べた。RFには、GSMパルス変調波(変調周波数217 Hz)または連続波変調なし)の信号を用いた。細胞培養物へのMFまたはRFばく露用に特別に開発されたばく露システムを用い、電磁界ばく露レベルおよび細胞培養条件は正確に制御可能であった。共ばく露アプローチとして、細胞培養はMFまたはRFに加えて他のストレッサー(紫外線UV)、血清欠乏、または新鮮な培地の添加)へのばく露も行われた。結果として、UV磁界ばく露を受けた酵母細胞において、UVのみのばく露に比べ、細胞周期動態でのさまざまな遅延がみられた;磁界は、UV損傷による増殖の遅延からの酵母細胞の回復を遅らせる可能性がある;オルニチンデカルボキシラーゼ活性に対するRF単独ばく露の影響は明確ではなかったが、細胞タイプ特異性があるように見えた;培地交換により誘発された細胞増殖は、RFばく露によりわずかに増加した;それに加えて、GSM変調波は、酵母細胞のUV誘導アポトーシスを増加させた;これらの知見から、MFおよびRFは細胞増殖および細胞死のメカニズムに何らかの影響を与えるようであるが、単独ばく露の影響は非常に小さく、既知のストレッサーとの共ばく露の場合にのみ見られるようである、と報告している。

研究目的(著者による)

細胞のオルニチンデカルボキシラーゼ活性、細胞周期動態、細胞増殖、ならびにネクローシスまたはアポトーシス細胞死に対する、50Hzの超低周波磁界電力線及び電気機器によって生じる)、ならびに872MHzまたは900MHzの無線周波電磁界携帯電話及び基地局から発せられる)影響を調べること。

詳細情報

UV放射血清欠乏、新鮮な培地の追加を共ばく露に用いた。

この調査は、異なる細胞培養装置に関する著者らの研究について、先行発表されたデータ(publication 10487 及び publication 6742 参照)及び未発表のデータを要約し、その結果を他の類似研究と比較するものである。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 900 MHz
Modulation type: pulsed
ばく露時間: continuous for 1 to 24 h
  • SAR: 6 W/kg maximum (0.2-6 W/kg)
ばく露2: 900 MHz
Modulation type: CW
ばく露時間: continuous for 1 to 24 h
  • SAR: 6 W/kg maximum (0.2-6 W/kg)
ばく露3: 872 MHz
Modulation type: pulsed
ばく露時間: continuous for 1 to 24 h
  • SAR: 6 W/kg maximum (0.2-6 W/kg)
ばく露4: 872 MHz
Modulation type: CW
ばく露時間: continuous for 1 to 24 h
  • SAR: 6 W/kg maximum (0.2-6 W/kg)
ばく露5: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 7 h

General information

UV radiation, serum deprivation, or fresh medium addition were used as co-exposures.

ばく露1

主たる特性
周波数 900 MHz
タイプ
  • electromagnetic field
特性
  • guided field
偏波
  • unspecified
ばく露時間 continuous for 1 to 24 h
Modulation
Modulation type pulsed
Repetition frequency 217 Hz
Additional information

GSM modulator

ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 The exposure chamber was an aluminium RF resonator with a plastic culture chamber and a water circulation heat exchanger positioned under a glass surface on which the cell culture dishes were placed. RF power was fed into the exposure chamber with a monopole post. Two identical chambers were used, one for EMF and one for sham exposure. Warm air (37°C) and CO2 (5%) were fed into the chambers from an incubator.
ばく露装置の詳細 Glass instead of plastic Petri dishes were used for better thermal contact.
Sham exposure A sham exposure was conducted.
Additional information A temperature adjustment curve was used to keep the measured temperature of the cell culture medium constant (± 0.3°C) at SAR values up to 6 W/kg.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
SAR 6 W/kg maximum 測定値および計算値 - 0.2-6 W/kg

ばく露2

主たる特性
周波数 900 MHz
タイプ
  • electromagnetic field
特性
  • guided field
偏波
  • unspecified
ばく露時間 continuous for 1 to 24 h
Modulation
Modulation type CW
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
SAR 6 W/kg maximum 測定値および計算値 - 0.2-6 W/kg

ばく露3

主たる特性
周波数 872 MHz
タイプ
  • electromagnetic field
特性
  • guided field
偏波
  • unspecified
ばく露時間 continuous for 1 to 24 h
Modulation
Modulation type pulsed
Repetition frequency 217 Hz
Additional information

GSM modulator

ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
SAR 6 W/kg maximum 測定値および計算値 - 0.2-6 W/kg

ばく露4

主たる特性
周波数 872 MHz
タイプ
  • electromagnetic field
特性
  • guided field
偏波
  • unspecified
ばく露時間 continuous for 1 to 24 h
Modulation
Modulation type CW
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
SAR 6 W/kg maximum 測定値および計算値 - 0.2-6 W/kg

ばく露5

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 7 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • 詳細不明
チャンバの詳細 wooden exposure system [Markkanen et al., 2001]
Additional information Cells were irradiated by UVB for 10 min at a dose of 175 J/m² and a dose rate of 0.292 J/m² per second during the MF exposure which continued to the end of the experiment. This exposure setup was also used to expose cells to UV radiation in UV + RF experiments.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 120 µT - - - ± 5 µT

Reference articles

  • Markkanen A et al. (2001): [紫外線照射した出芽酵母の細胞周期動態及びコロニー形成能力に対する50Hz磁界の影響]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

細胞周期動態についてのデータは、UV単独ばく露した酵母細胞と比較して、「UV磁界」にばく露した酵母細胞では、遅延時間が異なることを示唆している。磁界ばく露はUV損傷による成長の遅れからの酵母細胞の回復を遅らせるかも知れない。

オルニチンデカルボキシラーゼ活性に対する無線周波ばく露単独での明白な影響はなかったが、細胞型による特異性がありそうであった。

培地交換による細胞増殖は、無線周波照射によって僅かに増加した。加えて、GSM変調無線周波は、酵母細胞におけるUVによるアポトーシスを増加させた(この影響は変調に固有なようであった)。

結論として、磁界及び無線周波界には、細胞成長及び細胞死のメカニズムに対する何らかの影響がありそうである。これらの影響は、細胞を既知の損傷因子と共ばく露した場合にのみ明らかになる。

研究の種別:

研究助成

この論文に対するコメント

関連論文