研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[電力周波数磁界へのばく露はKu-80欠損xrs5細胞のエックス線誘発性のアポトーシスを一時的に抑制する] med./bio.

Exposure to Power Frequency Magnetic Fields Suppresses X-Ray-Induced Apoptosis Transiently in Ku80-Deficient xrs5 Cells.

掲載誌: Biochem Biophys Res Commun 2002; 292 (2): 355-361

この研究は、超低周波(ELF)電磁界へのばく露細胞に影響を与えるか否かを、Ku80欠損細胞(xrs5)およびKu80相補細胞(CHO-K1)を用いて調べた。DNAの損傷修復のための結合に重要な役割を果たす分子Ku80を持つ細胞と持たない細胞である。xrs5細胞およびCHO-K1細胞に、60 Hz磁界またはX線をばく露して、細胞生存、アポトーシス関連遺伝子(p21、p53、ホスホ-p53)、カスパーゼ-3および抗アポトーシス遺伝子bcl-2のレベルを測定した。その結果、xrs5細胞およびCHO-K1細胞に60Hz磁界ばく露した場合、細胞生存、細胞周期分布およびタンパク質発現に影響はなかった;xrs5細胞に、X線(1 Gy)に続いて5時間の60Hz磁界ばく露した場合、X線で誘発されたG(1)細胞周期停止は有意に抑制され、bcl-2発現上昇が生じた;xrs5細胞に、X線(8 Gy)に続いて5 mTの60 Hz磁界ばく露した場合、p53、ホスホ-p53カスパーゼ−3およびp21タンパク質誘導有意な低下が見られた;xrs5細胞に、X線照射に続いて10時間の60 Hz磁界ばく露した場合、X線誘発アポトーシスは約1.7 %から0.7 %へと有意に低下した;このような影響は、CHO-K1細胞では見られなかった、と報告している。

研究目的(著者による)

超低周波電磁界へのイン・ビトロでのばく露が、エックス線事前照射あり/なしのCHO細胞の細胞増殖細胞周期アポトーシス及びタンパク質発現に影響し得るかどうかを判定すること。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 60 Hz
ばく露時間: continuously for 24 h
  • 磁束密度: 5 mT unspecified (unspecified)
  • pretreatment of cells with 0 - 8 Gray X-rays for 5 h
ばく露2: 60 Hz
ばく露時間: continuously for 5 h, 10 h, 24h

ばく露1

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuously for 24 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • 詳細不明
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 5 mT unspecified - unspecified -
参照 - - - - pretreatment of cells with 0 - 8 Gray X-rays for 5 h

ばく露2

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuously for 5 h, 10 h, 24h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
Sham exposure A sham exposure was conducted.
Additional information the experiment was performed a) only with EMF exposure b) with X-ray pretreatment of 1 Gray for 5 h
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 5 mT unspecified - unspecified -

Reference articles

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

超低周波電磁界に単独ばく露したどちらの細胞株にも、細胞増殖細胞周期アポトーシスタンパク質発現に影響はなかった。
エックス線照射後のxrs5細胞の5時間の電磁界ばく露は、エックス線誘発性のG1期を有意に阻害し、bcl-2発現を生じた。
エックス線照射(8Gy)後に電磁界ばく露したxrs5細胞には、p53タンパク質発現リン酸化p53カスパーゼ-3、p21の有意な減少が認められた。
放射照射後に電磁界に10時間ばく露したxrs5細胞には、エックス線誘発性のアポトーシス有意な減少が認められた。但し、この影響はCHO-K1細胞には認められなかった。
照射後の60Hz超低周波電磁界へのxrs5細胞のばく露は、カスパーゼ-3、p21、p53及びリン酸化p53のレベル低下、ならびにbcl-2発現の増加により、細胞周期分布及びアポトーシスの一時的な抑制に影響し得る。

研究の種別:

研究助成

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