研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[50Hz磁界による両生類の原腸形成における胚細胞の細胞内カルシウム濃度の上昇の誘導、及び形態形成細胞の移動の加速] med./bio.

Induction of increase in intracellular calcium concentration of embryonic cells and acceleration of morphogenetic cell movements during amphibian gastrulation by a 50-Hz magnetic field

掲載誌: J Exp Zool Part A Ecol Genet Physiol 2007; 307 (3): 156-162

交流電磁界EMF)が両生類の胚の初期発生に与える影響が調べられた。EMF(50Hz, 5-30mT)の影響下で胚が発育するとき、初期発生の速度が促進された。EMFの効果は優先的に原腸形成段階に作用し、原腸形成期間は短縮された。組織学的観察により、EMFは原腸形成期の形態形成細胞の運動を促進していることが分かった。EMF影響下の胚細胞内の遊離Ca2+濃度([Ca2+])が、カルシウムイオン細胞内濃度の指標であるFura-2を用いることで分析された。EMFの[Ca2+]への影響が、胞胚原腸胚神経胚から分離した胚細胞において分析され、原腸胚から分離した細胞において殊にEMFは[Ca2+]を増大させていた。我々の実験結果は、EMFが特に原腸胚細胞の[Ca2+]を増大させ、その結果、原腸形成期の形態形成細胞の運動速度を促進させたことを示唆している。

研究目的(著者による)

このイン・ビボ研究は、両生類の胚の初期発生に対する超低周波電磁界の影響力を調べるために実施した。

詳細情報

加えて、電磁界細胞内カルシウム濃度に影響するかどうかという疑問も分析した。
群あたり11-28個の両生類の胚を、2細胞期(またはその後)から尾芽期(5日後)までの発生において調べた。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: 5 days
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: 5 days

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 5 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 cylindrical plastic chamber with an inner diameter of 6 mm, 12 mm heigh
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 5 mT minimum 測定値 - -
磁束密度 30 mT maximum 測定値 - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 5 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 5 mT minimum 測定値 - -
磁束密度 10 mT maximum 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

超低周波電磁界ばく露した胚には、対照群と比較して、初期発生率の加速が認められた。この電磁界の影響は磁束密度に依存し、原腸段階で優先的に発揮され、原腸形成期間が短縮された。
電磁界は、特に原腸胚から単離した細胞細胞内カルシウム濃度を高めた。
電磁界の影響力下では、形態学的側面に関する明確な異常は認められなかった。
データは、電磁界原腸胚細胞の細胞内カルシウム濃度を明確に上昇させ、それにより、原腸形成期の細胞発生率を加速させることを示している。

研究の種別:

研究助成

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