研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[ラットの胎児の発達に対する低周波磁界の影響] med./bio.

Effects of low-frequency magnetic fields on fetal development in rats.

掲載誌: Bioelectromagnetics 1993; 14 (3): 205-213

<目的>生殖に対する磁界影響の研究は少ない上に一致した結果が得られていない。従って、正弦波と鋸歯状磁界を同時に実験し、ラット胎仔への影響を比較することを目的とする。 <方法>Han:Wister系SPFラット10-13週齢(平均体重211g)雄1に対して雌3を交配させた室温21±1℃、60±7%RH、暗期はdim light点灯、 鋸歯状磁界は20kppsの周波数、15μTp-p(12A/m)の磁束密度、立上がりは5μs、立下がりは45μsの波形正弦波磁界は50Hz、磁束密度は時間平均で12.6μT(10A/m)、これに対しp-p値は35.6μT(28.3A/m)、いづれも矩形コイル(0.4mx1.2m)で発生した垂直方向の磁界正弦波、鋸歯状及びシャムばく露の3つのばく露システムにそれぞれ4つのケージを入れた。1ケージ当たり3匹 で実験は6回繰返されたのでそれぞれの群は72匹となった。妊娠20日間は連続で毎日の観察と毎週の体重摂餌量計測が行われた。 <結果>①妊娠中の異常、摂餌量には差はなかったが、50Hzばく露群で母獣体重が有意に大きく、胎仔を含む子宮重量増加に基づくものであった(表1)。②受胎率、黄体数性比、着床前後の消失等には有意差はなく、50Hz群では着床数と一腹当たりの産仔数は有意に大きかった(表2)。胎仔の骨格異常(軽度の奇形異常)はどちらの磁界ばく露でも対照群より有意に多くなった。鋸歯上磁界では変形が多く、50Hz磁界では軽度の奇形が多かった(表3)。磁界は着床と骨形成に僅かな影響を与えると示唆。

研究目的(著者による)

異なる磁界ばく露ラットの胚及び胎児の発達に及ぼすイン・ビボでの影響を調査すること。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 20 days
ばく露2: 20 kHz
Modulation type: pulsed
ばく露時間: continuous for 20 days

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 20 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 pairs of rectangular coils 0.425 x 1.205 m, 0.155 m apart, cages inside pair of coils
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 35.6 µT peak-to-peak 測定値 - -
磁界強度 10 A/m average over time 測定値 - -

ばく露2

主たる特性
周波数 20 kHz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sawtooth-shaped
ばく露時間 continuous for 20 days
Modulation
Modulation type pulsed
Rise time 5 µs
Fall time 45 µs
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 15 µT peak-to-peak 測定値 - -
磁界強度 12 A/m average over time 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

母獣にはばく露の悪影響は認められなかった。50Hz群では、一腹当たりの着床及び生きている胚の平均数が統計的に有意に増加した。両群で、軽微な骨格異常のある胚の発生率が統計的に有意に上昇した。

研究の種別:

研究助成

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