研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[死産と超低周波送電線への住居の近接度:後ろ向きコホート研究] epidem.

Stillbirth and residential proximity to extremely low frequency power transmission lines: a retrospective cohort study.

掲載誌: Occup Environ Med 2012; 69 (2): 147-149

【目的】超低周波電磁界ばく露流産の関係はこれまでに調べられていない。超低周波送電線への住居の接近度と様々な妊娠週齢における流産との関連を調査した。【方法】カナダ、ケベック州の大都市圏における1998-2007年の、単胎の正常産(N=514 826)と流産(N=2033)を分析対象データとした。送電線地図により、送電線と住宅(住所の郵便番号エリアの重心)との距離(<25、25-49.9、50-74.9、75-99.9、≧100 m)を算出した。距離≧100 mを参照群とした。一般的な推定の等式により個人および地域特性を考慮して、距離と流産に関するオッズ比(ORs)と95%信頼区間を計算した。出産予定日前の早期(<28週; N=750)、出産予定日前の後期(28-36週; N=727)、出産予定期(≧37週; N=555)の流産を、リスクにさらされた胎児(すなわち正常産および妊娠進行中の胎児)との比較で評価した。【結果】距離と出産予定日前の流産との間に関連はなかった。出産予定期の流産オッズ比は、距離≧100 mに比べ、<25mの方が大きかった(OR=2.25;95%信頼区間1.14-4.45)が、量-反応関係は見られなかった。【結論】送電線までの距離と流産のORsの間に一定の傾きの量-反応関係は見られなかったが、送電線から25m以内の住居において、出産予定期の流産が発生する見込みは高まった。送電線への住居の接近度は流産に関連するようには見えないが、関連の可能性を排除するために一層の研究が必要である。

研究の目的(著者による)

死産超低周波送電線への住居の近接度との関連を、カナダにおけるコホート研究で調査した。

詳細情報

死産を前期死産妊娠28週未満)、後期死産(28-36週)、末期死産(≥ 37週)に分類した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
集団 1 住居から電力線までの距離: < 25 m
集団 2 住居から電力線までの距離:25 - 49.9 m
集団 3 住居から電力線までの距離:50 - 74.9 m
集団 4 住居から電力線までの距離:75 - 99.9 m
参照集団 5 住居から電力線までの距離: ≥ 100 m

調査対象集団

調査規模

タイプ
合計 2,033
統計学的分析方法: ( 調整: )

結論(著者による)

死産の3.5%(n=72)は住居と電力線との間隔が100m以内、死産の0.8%(n=16)は25m以内であった。
この結果は、後期死産超低周波送電線への住居の近接度との関連はないことを示した。100m以上との比較では、25m未満の距離での末期死産リスクは大きかった(OR 2.25;CI 1.14 - 4.45)が、量‐反応パターンは見られなかった。
著者らは、死産と、その作用機序としての送電線への住居の近接度との関連はありそうにないが、後期でない死産野同定は困難である、と結論付けた。

研究助成

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