研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[超低周波磁界ばく露はドーパミン作動性D1受容体の活性化を通じてfos関連抗原の免疫反応性を生じる] med./bio.

Exposure to extremely low frequency magnetic fields induces fos-related antigen-immunoreactivity via activation of dopaminergic D1 receptor.

掲載誌: Exp Neurobiol 2011; 20 (3): 130-136

研究目的(著者による)

超低周波磁界ばく露がマウスの脳内でFos関連抗原(FRA)の免疫反応性を生じ、自発運動活動に影響力を及ぼすかどうかを調べること。

詳細情報

7群のマウスを調べた(各n=30):1) 非ばく露+生理食塩水注射対照群)、2) 0.3mTでばく露+生理食塩水注射、3) 2.4mTでばく露+生理食塩水注射、4) 2.4mTでばく露+体重1kgあたり0.03mgのSCH注射(SCH23390塩酸塩、ドーパミン作動性D1受容体遮断薬)、5) 2.4mTでばく露+体重1kgあたり0.1mgのSCH注射、6) 2.4mTでばく露+体重1kgあたり10mgのSulp注射(スルピリド、ドーパミン作動性D2受容体遮断薬)、7) 2.4mTでばく露+体重1kgあたり20mgのSulp注射

14日間の毎日のばく露の30分前に、食塩水、SCH及びSulpを注射した。ばく露期間の直後、1日後、1週間後、3か月後及び1年後の自発運動活動を調べた(それぞれの時点で各群6匹ずつ)。自発運動活動の測定の90分後に動物を屠殺し、免疫組織化学分析を実施した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 60 Hz
ばく露時間: 1 h/day for 14 days

General information

animals were treated with SCH23390 hydrochloride or sulpiride 30 min before exposure

ばく露1

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 1 h/day for 14 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 three Helmholtz coils set parallel to each other in a wooden frame
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 0.3 mT - - - -
磁束密度 2.4 mT - - - -

Reference articles

  • Shin EJ et al. (2007): [超低周波磁界へのばく露はマウスにおけるドーパミンD1様受容体の活性化を介して運動活動性を高める]
  • Lee BC et al. (2001): [磁界への出産前ばく露は胎児の線条体でのドーパミンレベルを増加させる]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

ばく露群(グループ2及び3)では対照群と比較して、磁界強度に依存して、ばく露期間の1日後に(2.4mTばく露では1週間後にも)、自発運動活動が有意に増加したが、3か月後には対照群とほぼ同レベルに戻った。SCH投与(グループ4及び5)では生理食塩水注射群(グループ3)と比較して、自発運動活動が有意に減少したが、Sulp投与群(グループ6及び7)では減少しなかった。

全てのばく露マウスの線条体及び側坐核では、対照群と比較して、Fos関連抗原免疫反応性磁界強度に依存して有意に高まった。最も高いレベルはばく露期間の直後に見られた。これは1年を通じて連続的に低下したが、対照群より有意に高いままであった。SCH注射は2.4mTばく露+生理食塩水注射と比較して、Fos関連抗原免疫反応性を有意に低下させたが、Sulpは低下させなかった。但し、数値は対照群よりは有意に高いままであった。

この結果は、超低周波磁界ばく露ドーパミン作動性D1受容体刺激を通じて、マウスの脳内のFos関連抗原免疫応答性を生じ、自発運動活動を高めることを示している。

研究の種別:

研究助成

関連論文