研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[RBL 2H3細胞での細胞内Ca動員およびβ-ヘキソサミニダーゼ放出は60 Hz電磁界(EMF)の影響を受けない] med./bio.

Intracellular Ca Mobilization and Beta-hexosaminidase Release Are Not Influenced by 60 Hz-electromagnetic Fields (EMF) in RBL 2H3 Cells

掲載誌: Korean J Physiol Pharmacol 2011; 15 (5): 313-317

この研究は、RBL 2H3細胞の細胞内Ca2+動員に対する超低周波電磁界EMF)の影響を調べた。その次に、細胞機能として、エキソサイトーシス(細胞が物質を細胞外へ放出すること)に対するEMFの影響を調べた。まず、RBL2H3細胞におけるβヘキソサミニダーゼの基礎放出およびメリチン誘発性βヘキソサミニダーゼ放出を測定し、続いて、細胞にEMFばく露を与えて放出の変化を調べた。その結果、 EMF(60 Hz、0.1または1 mT)への4時間または16時間ばく露において、RBL2H3細胞細胞毒性効果は生じなかった;メリチン、イオノマイシン、タプシガルギンはそれぞれ用量依存的に細胞内Ca2+濃度を増加させることが確認された;RBL 2H3細胞でのこれらの3つの薬剤誘発性の細胞内Ca2+増加は、EMF(60 Hz、1 mT)への4時間または16時間ばく露による影響を受けなかった;EMF(60 Hz、0.1または1 mT)への4または16時間のばく露は、RBL2H3細胞におけるβヘキソサミニダーゼの基礎放出またはメリチン誘発性放出に影響を与えなかった、と報告している。

研究目的(著者による)

RBL-2H3細胞において、メリチン(0.1-1µM)、イオノマイシン(1-100µM)及びタプシガルギン(10から1000µM)で刺激した細胞内Ca2+(一般的なメッセンジャーとして)の可動化、ならびにベータ-ヘキソサミニダーゼ放出に対する電磁界の影響を調べること。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 60 Hz
ばく露時間: continuous for 4 h or 16 h

ばく露1

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 4 h or 16 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 four square coils; exposure cage with three floors (top, middle, bottom); exposure system placed in an incubator with cooling system; magnetic shielding system made of ferrite material used for the exposure system; spatial variation of the magnetic field <3%
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 0.1 mT - - - -
磁束密度 1 mT - 校正 - at the center of the middle floor

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

4時間または16時間の磁界ばく露(60Hz、0.1または1mT)はRBL-2H3細胞細胞毒性作用を生じなかった。メリチン、イオノマイシン及びタプシガルギンは、それぞれ量依存的に、細胞内Ca2+濃度を上昇させた。RBL-2J3細胞におけるこれら3つの因子による細胞内Ca2+の上昇は、4時間または16時間の磁界ばく露によって影響されなかった。

4時間または16時間の磁界ばく露(60Hz、0.1または1mT)は、ベータ-ヘキソサミニダーゼの基底値または1µMのメリチンで誘導した放出に影響しなかった。

このデータは、職業ばく露限度値ICNIRP2010参照)での磁界ばく露(60Hz、0.1または1mT)には、RBL-2H3細胞の細胞内Ca2+の可動化及び細胞機能(細胞外排出作用)に対する影響力はないことを示唆している。

研究の種別:

研究助成

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