研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[電磁界にばく露した細胞に生じたHSP70レベルの増加] med./bio.

Increased levels of inducible HSP70 in cells exposed to electromagnetic fields.

掲載誌: Radiat Res 2006; 165 (1): 95-104

研究目的(著者による)

HSP70のレベルに対する50-680µTの範囲の50Hz電磁界へのばく露の影響を複数の細胞モデルで調べること。

詳細情報

内皮細胞で、HSP70遺伝子発現プロセスの幾つかのステップ(即ち、熱ショック転写因子1(HSF1)の活性化、遺伝子転写、mRNA蓄積及びHSP70新合成)に対する電磁界の影響、ならびに熱ショック(44℃で30分間)と電磁界への複合ばく露の影響も分析した。内皮細胞電気穿孔法によって(phsplacZ 及びpEGFP-C1ベクターで)遺伝子導入し、導入した遺伝子のHSP70プロモータ活性をベータ‐ガラクトシダーゼアッセイで評価した。

HSP70は長寿命タンパク質であり、また細胞質タンパク質はたいていユビキチンプロテアソーム経路を通じて劣化するので、その潜在的安定性を細胞抽出物中のプロテアソーム活性によって間接的に測定した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: 20 min, 1 h, 2 h, 4 h, 8 h, 16 h, 18 h, 24 h, 48 h

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 20 min, 1 h, 2 h, 4 h, 8 h, 16 h, 18 h, 24 h, 48 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 Four petri dishes were exposed simultaneously by inserting them in the solenoid. The solenoid and the sample holder resulted in a 38 cm high x 10 cm wide plexiglass chamber. The whole setup was placed in an incubator maintained at 37°C. Control samples were not exposed to MF and were incubated in the same incubator in a position where the environmental magnetic field was minimum (2 µT).
Additional information In some experiments, cells were exposed to heat stress for 20 or 30 min at 44°C in a water bath.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 55 µT minimum 測定値 - -
磁束密度 150 µT - 測定値 - -
磁束密度 300 µT - 測定値 - -
磁束密度 680 µT maximum 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

幾つかの細胞タイプ(内皮細胞及びリンパ腫白血病細胞)は、50Hz、680µTの電磁界への24時間ばく露の際に、HSP70タンパク質のレベルの増加を示した。

内皮細胞では、電磁界単独ではHSF1の極僅かで一過性の活性化しか生じなかった;但し、HSP70のmRNAのレベル、HSP70の合成のいずれにも、有意な変化は認められなかった。
HSP70プロモータに関する遺伝子導入実験では、遺伝子転写は影響されなかった。ばく露した細胞抽出物にはプロテアソーム活性の顕著な減少も見られた。

熱ショックで誘導したHSP70のmRNA及びタンパク質のレベルは、電磁界のような付随する弱いストレス要因によって上昇した。

結論として、このデータは、電磁界ばく露した内皮細胞では、HSP70遺伝子転写及び翻訳は影響されなかった;但し、電磁界は単独で、恐らくHSP70タンパク質の安定性を高めることにより、その蓄積を促進した。また、電磁界を熱ショックと一緒に適用した場合、熱によるHSP70のmRNAの蓄積及び翻訳を強めた。

研究の種別:

研究助成

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