研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[ヒトK562細胞におけるスーパーオキシドラジカルアニオン形成及びHSP70誘導に対する50Hz磁界ばく露の影響] med./bio.

Effects of 50-Hz magnetic field exposure on superoxide radical anion formation and HSP70 induction in human K562 cells

掲載誌: Radiat Environ Biophys 2010; 49 (4): 731-741

この研究は、ヒト白血病細胞株K562のさまざまな細胞パラメータ(増殖細胞周期分布、スーパーオキシドラジカルアニオン、およびHSP70タンパク質のレベル)に対する低周波磁界MFばく露(50Hz正弦波; 1時間; 0.025 - 0.10 mT; MF界の方向が垂直または水平)の影響を調べた。陽性対照(熱処理(42℃、1時間))およびMF擬似ばく露対照を用いた。その結果、熱処理群では、細胞増殖またはスーパーオキシドラジカルアニオン生成のいずれにも影響が見られなかったが、G2期の細胞の蓄積が生じ、ストレスタンパク質HSP70が増加した;MFばく露(0.10 mT、1時間)群では、細胞周期の動態にも増殖にも影響は見られなかった;垂直および水平方向の両方のMFばく露ばく露時間は1時間、いくつかの磁束密度)では、擬似対照群および熱処理の陽性対照群に比べ、HSP70レベルが有意に、かつ一時的に上昇した(> 2倍);この他にもいくつかの知見があり、全体的には、K562細胞におけるELF MFへの初期の反応は、酸素ラジカルの量の増加であり、それがHSP70の誘導につながるように見えた、と報告している。

研究目的(著者による)

様々な磁束密度の50Hz正弦波磁界(垂直または水平)が、ヒト細胞株K562において細胞増殖及び細胞周期動態に影響を及ぼし得るかどうか、ならびに、Hsp70タンパク質及びスーパーオキシドラジカルアニオンのレベル変化の形のストレス応答が磁界ばく露の結果かどうかを調べること。

詳細情報

熱処理(42℃、1時間)を用いて陽性対照を実施した。
加えて、ラジカル産出についての陽性対照として、ホルボールエステルPMAを用いた。
ばく露前、及びばく露後の異なる時点で細胞を調べた。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 1 h

General information

cells were treated with i) exposure to magnetic fields ii) sham exposure iii) heat of 42°C

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 1 h
Additional information vertical or horizontal field
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 two pairs of Helmholtz coils, one horizontal, one vertical, with a diameter of 40 cm and 42 cm respectively and in each coil 3 separate windings with 30 turns each; coil system placed in an incubator
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 0.025 mT effective value 測定値 - -
磁束密度 0.05 mT effective value 測定値 - -
磁束密度 0.1 mT effective value 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露前
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

データは、磁界ばく露(0.1mT(他の磁束密度のデータは示されていない))は細胞周期動態または細胞増殖に影響しないことを示した。

垂直及び水平の磁界ばく露は共に、複数の磁束密度で、偽ばく露及び熱処理と比較して有意な、一過性の高いHsp70レベル(>2倍)を生じた。最も強い影響は、0.025mTへの垂直ばく露後に見られた。ばく露の直後に2倍増が観察され、ばく露の24時間後まで継続したが、24時間の時点でレベルはベースラインに戻りつつあった。最も高いばく露(0.1mT)は、Hsp70発現誘導が最も弱かった。

磁界ばく露は、陽性対照PMAと比較して、調査した全ての磁束密度で、スーパーオキシドラジカルアニオンのレベル上昇(30-40%)も生じた。

結論として、K562細胞における超低周波磁界への初期応答は、Hsp70の誘導につながる酸素ラジカルの量を増加させるようである。更に、この知見は、50Hz磁界がK562細胞に影響を生じる磁束密度閾値が0.025mTかそれ以下にあることを示唆している。加えて、アクティブなパラメータは誘導電界ではなく磁界である(Hsp誘導は垂直と水平のどちらの磁界ばく露の際にも生じるため)。

研究の種別:

研究助成

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