研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[非腫瘍形成性ヒト肺上皮細胞L132のG2/M期の細胞周期分布および異数体形成に対する電離放射線または過酸化水素と60Hz電磁界との組み合わせばく露の影響] med./bio.

Effects on G2/M phase cell cycle distribution and aneuploidy formation of exposure to a 60 Hz electromagnetic field in combination with ionizing radiation or hydrogen peroxide in L132 nontumorigenic human lung epithelial cells.

掲載誌: Korean J Physiol Pharmacol 2015; 19 (2): 119-124

この研究は、超低周波磁界(ELF-MF:60Hz、1mTまたは2mT)とストレス因子(電離放射線(IR):0.5 Gyまたは過酸化水素H2O2):0.05mM)との組み合わせばく露が、非腫瘍形成性ヒト肺上皮細胞L132の遺伝子安定性に与える影響を、細胞分裂周期のG2/M期停止細胞の割合および異数体形成を指標に評価した。その結果、IRまたはH2O2の単独9時間ばく露群で、異数体形成は最も高かったが、subG1期細胞は観察されず、アポトーシスは無かった;ELF-MF単独ばく露群では、G2/M期停止細胞の割合、異数体細胞、subG1期細胞への影響は無かった;IRまたはH2O2にELF-MFを組み合わせた場合、ELF-MFによる影響の増強は観察されなかった、と報告している。

研究目的(著者による)

ヒト肺上皮細胞における細胞周期分布および異数体に対する60 Hz磁界の単独ばく露またはガンマ放射線または過酸化水素との共ばく露の影響を調べること。

詳細情報

細胞は以下の各群に分けられた:1) 1 mT磁界へのばく露、2) 2 mT磁界へのばく露、3) ばく露の開始時から過酸化水素へのばく露(0.05, 0.1, 0.5 mM)、4) ばく露の開始時からガンマ線へのばく露(0.1, 0.5, 1, 2 Gy)、5) 2 mTの磁界と0.05 mMの過酸化水素の同時の共ばく露、6) 2 mTの磁界と(磁界ばく露の前の)0.5 Gyのガンマ線共ばく露。それぞれの実験群および試験に対して、別々の擬似ばく露が実施された。
少なくとも4つの独立的な実験において、各試験は3回繰り返し実施された。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 60 Hz
ばく露時間: continuous for 9 hours
ばく露2: 60 Hz
ばく露時間: continuous for 9 hours

General information

gamma radiation was applied as a single dose at the beginning of each exposure time, respectively, at a rate of 5 Gy/min

ばく露1

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 9 hours
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 60 mm cell culture dishes
ばく露装置の詳細 temperature was maintained at 37 ± 0.3°C
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT - - - -

ばく露2

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 9 hours
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 2 mT - - - -

Reference articles

  • Lee HJ et al. (2012): [NIH3T3細胞における細胞の形質転換に対する各種のストレス要因と60Hz電磁界ばく露の複合的な影響]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

磁界ばく露細胞(実験群1および2)と擬似ばく露細胞との間に有意差は見られなかった。

実験群 3 (過酸化水素)および 4 (ガンマ線)では、ばく露群と擬似ばく露群の間で、細胞周期分布および異数体有意な相違が検出された。

磁界ばく露および磁界過酸化水素共ばく露(実験群 5)またはガンマ線との共ばく露(実験群 6)は、過酸化水素またはガンマ線単独による影響を増大させなかった。

著者らは、60 Hz磁界ばく露が、ヒト肺上皮細胞の細胞周期分布および異数体に何も影響を与えず、ガンマ線または過酸化水素による影響を増大させなかった、と結論している。

研究の種別:

研究助成

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