研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[ニュージーランドにおける電磁界ばく露と小児白血病] epidem.

Electromagnetic field exposures and childhood leukaemia in New Zealand

掲載誌: Lancet 1999; 354 (9194): 1967-1968

この研究は、ニュージーランド全国規模の小児白血病症例対照研究で、小児の家庭での電界および磁界の測定調査が行われた。その結果、小児白血病リスクと寝室での50 Hz電界および磁界時間加重平均との間に有意な関連はなかった;寝室と居間(日中)での測定値を組み合わせた時間加重平均についても、関連はなかった、と報告している。

研究の目的(著者による)

住宅の寝室及び居室での24時間の電界及び磁界測定値を組合わせた時間加重平均を、先行文献での個別の分析と比較して、電磁界ばく露小児白血病との間にあるかも知れない関連を調査した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 寝室及び居室での磁界強度、算術平均: < 0.1 µT
集団 2 寝室及び居室での磁界強度、算術平均:0.1 - < 0.2 µT
集団 3 寝室及び居室での磁界強度、算術平均: ≥ 0.2 µT
参照集団 4 寝室及び居室での磁界強度、算術平均、最も低い三分位値: < 0.0214 µT
集団 5 寝室及び居室での磁界強度、算術平均、中間の三分位値: 0.0214 to < 0.0590 µT
集団 6 寝室及び居室での磁界強度、算術平均、最も高い三分位値: ≥ 0.0590 µT
参照集団 7 寝室及び居室での電界強度、算術平均、最も低い三分位値: < 5.05 V/m
集団 8 寝室及び居室での電界強度、算術平均、中間の三分位値: 5.05 - < 14.00 V/m
集団 9 寝室及び居室での電界強度、算術平均、最も高い三分位値: ≥ 14.00 V/m

調査対象集団

症例集団

対照集団

調査規模

症例 対照
適格者 131 -
参加者 113 113
統計学的分析方法: (調整: )

結論(著者による)

本研究におけるオッズ比は、先行文献において寝室及び居室で個別に分析したオッズ比よりも低かった。小児白血病と、寝室及び居室での50Hz電界及び磁界を組合わせた時間加重平均との有意な関連はなかった。

研究の限界(著者による)

最も高いばく露カテゴリーの子どもは少数であった。

研究助成

この論文に対するコメント

関連論文