研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[カナダにおける電力周波数電界及び磁界と小児白血病のリスク] epidem.

Power-frequency electric and magnetic fields and risk of childhood leukemia in Canada

掲載誌: Am J Epidemiol 1999; 149 (9): 831-842

<目的>電力周波数電磁界曝露に関連した小児白血病の危険度を評価すること。 <方法>研究対象:カナダ・ブリティッシュコロンビア州ほか4州に住む年齢0~14歳の小児。症例小児399名、対照小児399名。曝露評価:48時間個人電磁界測定、受胎から診断/基準日までの被験者の住居のワイアコード化及び磁界測定、寝室の24時間磁界測定。 <結果>OR=調整後オッズ比:個人磁界値は白血病あるいは急性リンパ球白血病の危険度とは関係がなかった。全白血病OR=0.95(95%CI 0.72-1.26)、傾向のp値=0.73[表4])、急性リンパ球白血病OR=0.93(95%CI 0.70-1.25)、傾向のp値=0.64[表6])。被験者診断/基準日の2年前または生涯の推定磁界曝露量[表4]、個人電界曝露量[表7]と小児白血病の危険度との明らかな関連性はなかった。診断/基準日の2年前の被験者の住居の中で極めて高位置に電線の配置があると、急性リンパ球白血病の危険度の統計的に有意でない上昇が認められた。[表6]。地下配線と比較してOR=1.72(95%CI 0.54-5.45)。本研究の結果は、電力周波数電磁界小児白血病の危険度の関連性をほとんど支持しない。

研究の目的(著者による)

カナダにおける症例対照研究で、電力周波数電界及び磁界へのばく露小児白血病リスクとの関連の可能性を調査した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 測定した磁界の時間加重平均:< 0.08 µT
集団 2 測定した磁界の時間加重平均:0.08 - < 0.15 µT
集団 3 測定した磁界の時間加重平均:0.15 - < 0.27 µ
集団 4 測定した磁界の時間加重平均:0.27 - < 1.61 µT
参照集団 5 測定した磁界の時間加重平均:< 0.2 µT
集団 6 測定した磁界の時間加重平均:≥ 0.2 µT
参照集団 7 Wertheimer-Leeperコード:地下
集団 8 Wertheimer-Leeperコード:非常に低い
集団 9 Wertheimer-Leeperコード:一般に低い
集団 10 Wertheimer-Leeperコード:一般に高い
集団 11 Wertheimer-Leeperコード:非常に高い
参照集団 12 Kaune-Savitzコード:低
集団 13 Kaune-Savitzコード:中
集団 14 Kaune-Savitzコード:高
参照集団 15 測定した電界の時間加重平均:< 12.2 V/m
集団 16 測定した電界の時間加重平均:12.2 - < 17.2 V/m
集団 17 測定した電界の時間加重平均:17.2 - < 24.6 V/m
集団 18 測定した電界の時間加重平均:24.6 - < 64.7 V/m
参照集団 19 測定した電界の時間加重平均:< 20 V/m
集団 20 測定した電界の時間加重平均:≥ 20 V/m

調査対象集団

症例集団

対照集団

調査規模

症例 対照
適格者 445 526
参加者 399 399
参加率 90 % 76 %
その他:

症例の88%が急性リンパ性白血病を有していた

統計学的分析方法: (調整: )

結論(著者による)

ばく露評価の種類にかかわらず、磁界及び電界に関する小児白血病リスク上昇は認められなかった。診断の2年前の被験者の住居において、「非常に高い」電線配置に関する急性リンパ性白血病の有意でないリスク上昇が認められた。
この知見は、電力周波数電界及び磁界小児白血病リスクとの関連に対する支持をほとんど与えていない。

研究助成

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