研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[カナダのオンタリオ州南部における小児白血病及び住居での磁界へのばく露についての症例対照研究] epidem.

A case-control study of childhood leukemia in southern Ontario, Canada, and exposure to magnetic fields in residences.

掲載誌: Int J Cancer 1999; 82 (2): 161-170

この研究は、カナダのオンタリオ州で実施された、小児白血病リスクと居住環境磁界ばく露に関する人口ベース症例対照研究である。調査参加者は、1985-1993年の間に、0〜14歳で小児白血病と新規に診断された症例201人(小児疾患病院(トロント)の記録から確認された)および症例とマッチされた対照406人である。可能な場合、定められたキャッチメントエリア内で調査期間中に調査参加者が居住した全ての住宅で、磁界の一時点測定が実施された。各住宅に、ワイアコードの3つの異なる分類が割り当てられた。社会経済的特性、両親および子供の病歴、環境ばく露など、リスク推定値の調整に必要な詳細な情報は、インタビューアが実施する質問票調査により収集された。その結果、一貫性のないリスク上昇は、磁界の一時点測定が実施された住宅(対象者の病因に関わる期間の少なくとも70 %を代表する)の内部および屋外での磁界時間加重平均と関連した;診断時の年齢6歳未満の小児に限定、または急性リンパ芽球性白血病小児に限定した分析では、リスクは大きくなった;診断時に6歳未満の小児の場合、住宅周囲の磁界測定値≧0.15 μTのカテゴリーは、白血病リスク上昇と関連した(OR = 3.45、95%CI = 1.14-10.45);磁界測定およびワイヤコード分類の時期を評価すると、病因期の最も早期におけるばく露が、より若い年齢で診断された小児でのリスクを高めた(OR = 2.50,95%CI = 1.14-5.49);小児白血病と高電流電力線への近接性との関連は支持されなかった、と報告している。

研究の目的(著者による)

小児白血病リスク磁界へのばく露との関連を調査するため、カナダにおいて人口ベース症例対照研究を実施した。

詳細情報

磁界へのばく露は、住居の内外でのポイント・イン・タイム測定、ならびに、Wertheimer-Leeper、Barnes(Wertheimer-Leeperの手法を地下サービスを考慮して改変)及びKaune-Savitzに従ったワイヤ・コード分類で評価した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 子どもの寝室での磁束密度の測定値:< 0.03 µT
集団 2 子どもの寝室での磁束密度の測定値:0.03 - 0.06 µT
集団 3 子どもの寝室での磁束密度の測定値:0.06 - 0.12 µT
集団 4 子どもの寝室での磁束密度の測定値:≥ 0.13 µT
参照集団 5 磁束密度の測定値、屋内平均:< 0.04 µT
集団 6 磁束密度の測定値、屋内平均:0.04 - 0.08 µT
集団 7 磁束密度の測定値、屋内平均:0.09 - 0.14 µT
集団 8 磁束密度の測定値、屋内平均:≥ 0.15 µT
参照集団 9 磁束密度の測定値、屋外:< 0.03 µT
集団 10 磁束密度の測定値、屋外:0.03 - 0.07 µT
集団 11 磁束密度の測定値、屋外:0.08 - 0.14 µT
集団 12 磁束密度の測定値、屋外:≥ 0.15 µT
参照集団 13 Wertheimer-Leeperコード:非常に低い電流配置(VLCC)
集団 14 Wertheimer-Leeperコード:一般に低い電流配置(OLCC)
集団 15 Wertheimer-Leeperコード:一般に高い電流配置(OHCC)
集団 16 Wertheimer-Leeperコード:非常に高い電流配置(VHCC)
参照集団 17 Wertheimer-Leeperコード、Barnesによる改変:地下
集団 18 Wertheimer-Leeperコード、Barnesによる改変:非常に低い電流配置(VLCC)
集団 19 Wertheimer-Leeperコード、Barnesによる改変:一般に低い電流配置(OLCC)
集団 20 Wertheimer-Leeperコード、Barnesによる改変:一般に高い電流配置(OHCC)
集団 21 Wertheimer-Leeperコード、Barnesによる改変:非常に高い電流配置(VHCC)
参照集団 22 Kaune-Savitzコード:低
集団 23 Kaune-Savitzコード:中
集団 24 Kaune-Savitzコード:高

調査対象集団

症例集団

対照集団

調査規模

症例 対照
適格者 298 1,133
参加者 203 419
評価可能 201 406
統計学的分析方法: (調整: )

結論(著者による)

病因期間の少なくとも70%を代表する住居の内外で測定した磁界ばく露は、小児白血病との弱い、有意でない関連を示した。診断時に6歳未満であった子どもについては、住居周囲での測定値が0.15µTの磁界と、白血病リスク上昇との関連が認められた。この知見は、小児白血病と高電流配置の電力線への近接との関連を支持していない。

研究助成

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