研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[電磁界への居住環境ばく露と小児白血病:メタ分析] epidem.

Residential exposure to electromagnetic fields and childhood leukaemia: a meta-analysis.

掲載誌: Bull World Health Organ 1999; 77 (11): 906-915

この研究は、電磁界EMF)への居住環境ばく露小児白血病との関連性を調査した14件の症例対照研究および1件のコホート研究を含むメタ分析を行った。これらは研究品質が評価されたものである。各研究から相対リスク推定値を抽出してプールしたEMFばく露評価指標(電線構成コード、配電装置までの距離、磁界強度磁束密度)の24時間測定値およびスポット測定値、磁界計算値)に基づいた個々のメタ分析を行った。その結果、電線構成コードに基づいた場合、プールされた相対リスク推定値は1.46(95%信頼区間(CI)= 1.05-2.04、P = 0.024)、磁界の24時間測定値の場合、1.59(95%CI = 1.14-2.22、P = 0.006)となり、これはEMF居住環境ばく露小児白血病に及ぼす潜在的影響を示唆した;ほとんどの場合、質の低い研究のプールに比べ、質の高い研究のプールの方が、低いリスク推定値となった;研究が最近のものになればなるほど、品質が高くなる傾向は明らかであった、と報告している。

研究の目的(著者による)

電磁界への居住環境ばく露小児白血病との関連を調査するため、メタ分析を実施した。以下の15の研究を含めた:
米国(Wertheimer et al. 1979)、
米国(Fulton et al. 1980)、
スウェーデン(Tomenius et al.1986)、
米国(Savitz et al.1988)、
英国(Coleman et al.1989)、
米国(London et al. 1991)、
デンマーク(Olsen et al. 1993)、
スウェーデン(Feychting et al. 1993)、
ギリシャ(Petridou et al.1993)、
米国東部(Linet et al.1997)、
ノルウェー(Tynes et al. 1997)、
ギリシャ(Petridou et al. 1997)、
ドイツ(Michaelis et al. 1997)、
ニュージーランド(Dockerty et al. 1998)、及び
フィンランド(Verkasalo et al. 1993)。

詳細情報

五つの異なるばく露評価手法に基づき、個別のメタ分析を実施した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 ワイヤ・コード配置:低電流配置
集団 2 ワイヤ・コード配置:高電流配置
参照集団 3 配電設備からの距離:≥ 50 m
集団 4 配電設備からの距離:< 50 m
参照集団 5 磁界のスポット測定値:< 0.2 µT
集団 6 磁界のスポット測定値:≥ 0.2 µT
参照集団 7 磁界の24時間測定値:< 0.2 µT
集団 8 磁界の24時間測定値:≥ 0.2 µT
参照集団 9 磁界の計算値:< 0.2 µT
集団 10 磁界の計算値:≥ 0.2 µT

調査対象集団

統計学的分析方法:

結論(著者による)

ワイヤ・コード配置及び磁界の24時間測定に基づくばく露評価手法を用いた研究のメタ分析では、小児白血病について統計的に有意なリスク上昇が認められた。より質の高いより最近の研究では、明確な傾向が観察された。
著者らは、電磁界への居住環境ばく露小児白血病との関連はあるかも知れないと結論付けた。

研究の限界(著者による)

個々の研究における選択バイアスばく露の誤分類、交絡因子が排除できない。

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