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UMTS 基地局

分類:
基地局
説明:

UMTSに用いられる二重化の方法は2種類ある。周波数分割二重(FDD)および時分割二重TDD)である。

通常のUMTSはUMTS-FDDである。したがって、携帯電話とその基地局はデータを異なる周波数で送信する。衛星サービスの周波数は、基地局と衛星の間の通信に使用される。

UMTS-TDDモードは、FDDモードに比べ技術的により複雑であり、ドイツでは商用には使用されていない。その理由は、アップリンクおよびダウンリンクは別々に送信されるため、移動する携帯電話での同期の難度が高くなるためである。このため、TDDモードは多くの場合、固定的なデータ送信に使用される。

以下に示す測定値はFDDモードのものである。

周波数範囲:
  • 1,920–1,980 MHz (UMTS I 周波数バンドのアップリンク)
  • 1,980–2,010 MHz (衛星サービスのアップリンク)
  • 2,110–2,170 MHz (UMTS I 周波数バンドのダウンリンク)
  • 2,170–2,200 MHz (衛星サービスのダウンリンク)
電磁界の種別:
電磁界

測定値(文献に拠る)

都市部
測定されている物理量 測定値 分類上の特徴 特記事項
電界強度 0.03 V/m (最大値, 測定値) - 測定点の数 41:田園地域 [1]
電界強度 0.03–0.16 V/m (測定値) - アムステルダムの住宅地周辺部の2または3階建て建物(500 m以内に5-10の基地局が存在; 測定伝搬経路は 1.9 - 2.2 km) [3]
電界強度 0.04–0.07 V/m (測定値) - バーゼルの住宅地周辺部の2または3階建て建物(500 m以内に>10の基地局が存在; 測定伝搬経路は 2 - 2.3 km) [3]
電界強度 0.09 V/m (測定値) - バーゼルの住宅地中心部の4または5階建てビル(500 m以内に>10の基地局が存在; 測定伝搬経路は2.3 km) [3]
電界強度 0.1 V/m (測定値) - バーゼルのダウンタウン (500 m以内に > 10 の基地局が存在; 測定伝搬経路は 2.1 km) [3]
電界強度 0.1 V/m (測定値) - バーゼルのビジネス街(500 m以内に > 10 の基地局が存在; 測定伝搬経路は 2.2 km) [3]
電界強度 0.12 V/m (測定値) - アムステルダムの住宅地中心部の4または5階建てビル(500 m以内に>10の基地局が存在; 測定伝搬経路は1.7 km) [3]
電界強度 0.16 V/m (測定値) - アムステルダムのビジネス街(500 m以内に > 10 の基地局が存在; 測定伝搬経路は 2 km) [3]
電界強度 0.17 V/m (測定値) - アムステルダムのダウンタウン (500 m以内に > 10 の基地局が存在; 測定伝搬経路は 2 km) [3]
電界強度 1.03 V/m (最大値, 測定値) - 測定点の数 40 [7]
電界強度 1.23 V/m (最大値, 測定値) - 測定点の数 50:郊外地域 [1]
電界強度 1.41 V/m (最大値, 測定値) - 測定点の数 311 [1]
電界強度 1.41 V/m (最大値, 測定値) - 測定点の数 77:都市地域 [1]
電力密度 2.82 mW/m² (最大値, 測定値) - 測定点の数 40 [7]
電力密度 1,200 W/m² (測定値) - スウェーデンの都市地域;測定値は、2つのGSM (900 and 1800) とUMTSからなる [10]
電力密度 5,400 µW/m² (測定値) - スウェーデンの首都 (ストックホルム);測定値は、2つのGSM (900 and 1800) とUMTSからなる [10]
郊外
測定されている物理量 測定値 分類上の特徴 特記事項
電界強度 0.03 V/m (最大値, 測定値) - ギリシャの郊外地域のビル内の13箇所で測定された最大値の平均 [2]
電界強度 0.12 V/m (平均値, 測定値) - ギリシャの種々のビル内の40箇所での平均ばく露:1箇所当たり11測定点で測定を実施:部屋中心点で高さの異なる3点(1.1 m, 1.5 m, 1.7 m)、中心点から1m、高さ1mの部屋の角4点、窓のそば3点、電界が最大となる1点。 [2]
電界強度 0.16 V/m (最大値, 測定値) - ギリシャの都市地域のビル内の27箇所で測定された最大値の平均 [2]
電界強度 0.28 V/m (最大値, 測定値) - ギリシャの種々のビル内の40箇所での最大ばく露の平均値:1箇所当たり11測定点で測定を実施:部屋中心点で高さの異なる3点(1.1 m, 1.5 m, 1.7 m)、中心点から1m、高さ1mの部屋の角4点、窓のそば3点、電界が最大となる1点。 [2]
建物内
測定されている物理量 測定値 分類上の特徴 特記事項
電界強度 0.04 V/m (平均値, 測定値) - ベルギーのオフィス [4]
電界強度 0.05 V/m (平均値, 測定値) - ベルギーの住宅 [4]
電界強度 0.06 V/m (平均値, 測定値) - ギリシャの住宅 [4]
電界強度 0.28 V/m (平均値, 測定値) - ギリシャのオフィス [4]
オフィス
測定されている物理量 測定値 分類上の特徴 特記事項
電界強度 0.05–0.53 V/m (測定値) - - [5]
種々の区域
測定されている物理量 測定値 分類上の特徴 特記事項
電界強度 0.5 V/m (平均値, 測定値) - さまざまな場所で [6]
電力密度 0.89 µW/m² (平均値, 測定値) - 2006年の測定点130箇所の算術平均 [9]
電力密度 2.31 µW/m² (平均値, 測定値) - 2009年の測定点130箇所の算術平均 [9]
計算機モデル
測定されている物理量 測定値 分類上の特徴 特記事項
電界強度 22.3 V/m (シミュレーション値) - 距離 600 mm [8]
電界強度 31.4 V/m (シミュレーション値) - 距離 300 mm [8]
電界強度 49.9 V/m (シミュレーション値) - 距離 100 mm [8]
電界強度 80.9 V/m (シミュレーション値) - 距離 10 mm [8]
SAR 0.546 µW/kg (最大値, 計算値) - 1歳児の全身平均SAR [11]
SAR 0.045 W/kg (シミュレーション値) - 距離 600 mm;組織10 gでの平均 [8]
SAR 0.241 W/kg (シミュレーション値) - 距離 100 mm、10 g平均 [8]
SAR 0.474 W/kg (シミュレーション値) - 距離 10 mm、10 g平均 [8]
測定されている物理量 測定値 分類上の特徴 特記事項
電力密度 2.09 µW/m² (測定値) - 測定箇所213の平均(2009年) [9]
SAR 73 µW/kg (最大値, 測定値) - 脳組織1 g平均 [12]
田園地域
測定されている物理量 測定値 分類上の特徴 特記事項
電力密度 200 µW/m² (測定値) - スウェーデンの都市地域;測定値は、2つのGSM (900 and 1800) とUMTSからなる [10]
屋内
測定されている物理量 測定値 分類上の特徴 特記事項
SAR 320 µW/kg (最大値, 計算値) - 空間ピーク値:1g平均の全身SAR:男 (80 kg) [12]
SAR 0.8191 W/kg (最大値, 計算値) - 不均一ファントムモデルの前面 15 cm(地上60cm)にアンテナ設置;10 g平均 [13]
屋外
測定されている物理量 測定値 分類上の特徴 特記事項
SAR 0.062 W/kg (測定値) - 距離 300 mm、10 g平均 [8]

参考文献

  1. Joseph W et al. (2012): [さまざまな環境における新しい無線通信技術からのRFばく露の評価]
  2. Markakis I et al. (2013): [ギリシャの屋内環境における無線周波ばく露]
  3. Urbinello D et al. (2014): [バーゼルおよびアムステルダム市内の様々な地域での携帯電話基地局放射比較調査でのポータブルばく露計の有用性]
  4. Vermeeren G et al. (2013): [ベルギーおよびギリシャにおける屋内微小環境での子供および成人の空間的かつ時間的RF電磁界ばく露]
  5. Heinrich S et al. (2007): [UMTS携帯電話基地局の電磁界と健康への影響可能性:実験的フィールド研究の結果]
  6. Joseph W et al. (2010): [短報:都市環境中のLTE及びRF発生源への公衆ばく露の評価]
  7. Joseph W et al. (2012): [一般公衆のLTEばく露の定点測定:特性の記述と外挿]
  8. Kos B et al. (2011): [マルチバンド基地局アンテナの前面におけるばく露評価]
  9. Tomitsch J et al. (2012): [電磁界への居住環境ばく露の2006年から2009年までの傾向]
  10. Estenberg J et al. (2014): [短報:新規のモバイル・モニタリング・システムを用いて実施した屋外環境における無線周波電磁界の大規模な周波数選択的測定]
  11. Joseph W et al. (2010): [電磁界の個人ばく露計を利用した全身SARの推定]
  12. Regel SJ et al. (2006): [UMTS基地局様ばく露、健康ならびに認知機能]
  13. Lacroux F et al. (2008): [基地局アンテナ(2140 MHz)周辺の比吸収率評価:いくつかの重要ポイント]