研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[多能性胚性幹細胞の遺伝子発現レベルに対する送電線磁界(50Hz)の非熱作用‐腫瘍抑制遺伝子p53の役割] med./bio.

Non-thermal effects of power-line magnetic fields (50 Hz) on gene expression levels of pluripotent embryonic stem cells-the role of tumour suppressor p53

掲載誌: Mutat Res Genet Toxicol Environ Mutagen 2004; 557 (1): 63-74

この研究は、多分化能を有する胚性幹細胞(ES細胞)を用いて、電力周波磁界(50Hz:0.1、1.0、2.3 mT)の非熱的影響を調べた。野生株ES細胞および腫瘍抑制因子p53欠損ES細胞の分化の第1期に、3通りの磁束密度の50Hz磁界を、種々のOn/OFFサイクルで、6時間または48時間与え、イン・ビトロで分化中の遺伝子(egr-1、c-jun、c-myc、p21、hsp70bcl-2)の転写レベル、ばく露終了直後および18時間後に解析した。その結果、5分間On/30分間OFFサイクルで、2.3 mTに6時間ばく露した群において、p53欠損ES細胞では、c-jun、p21、egr-1のmRNAレベルの上昇が見られたが、野生株では変化が見られなかった;これに比べ低い磁束密度、長いON時間、または18時間後の検査の場合、どちらの細胞株でも変化が見られなかった、と報告している。

研究目的(著者による)

このイン・ビトロ研究は、ネズミの胚性幹細胞における遺伝子発現に対する非熱的超低周波電磁界の影響を調査するために実施した。

詳細情報

細胞分化を探求するためのモデルとして、胚性幹細胞を選択した。
 細胞のp53の状態の影響力の他に、回復時間あり/なしでの間欠的または連続的なばく露の影響を、異なる磁束密度で調査すべきである。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: intermittent for 6 h or 48 h, 5 min on/30 min off
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: intermittent for 6 h or 48 h, 5 min on/10 min off
ばく露3: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 6 or 48 h

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 intermittent for 6 h or 48 h, 5 min on/30 min off
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 Two four coil systems, each placed inside a µ-metal shielding box. The coils generated a linearly polarized B-field the area of the Petri dishes with the B-field vector perpendicular to the dish plane. The B-field was homogeneous over the exposure area (16 cm x 16 cm 16 cm). For sham exposure, the currents in the bifilar coils were switched non-parallel.
Additional information B-field vector perpendicular to the Petri dishes plane. One chamber was used for exposure and the other one used for sham exposure.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT unspecified 測定値 - -
磁束密度 100 µT unspecified 測定値 - -
磁束密度 2.3 mT unspecified 測定値 - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 intermittent for 6 h or 48 h, 5 min on/10 min off
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
  • two four coil systems, each placed inside a µ-metal shielding box.
チャンバの詳細 µ-metal shielding chambers
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 2.3 mT unspecified 測定値 - -

ばく露3

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 6 or 48 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
  • two four coil systems, each placed inside a µ-metal shielding box.
チャンバの詳細 µ-metal shielding chambers
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 100 µT unspecified 測定値 - -
磁束密度 1 mT unspecified 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

間欠的な磁界ばく露(5分間オン/30分間オフの周期、磁束密度2.3mTで6時間)は、p53欠損細胞においてc-junp21及びegr-1 mRNAレベルの有意な上方制御を示したが、野生型細胞では示さなかった。
より低い磁束密度磁界、より長いばく露時間でばく露された場合、または18時間の回復時間後では、どちらの細胞株にも有意差は認められなかった。

研究の種別:

研究助成

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