研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[長期的な超低周波の磁界によるラットの骨の質の劣化] med./bio.

Deterioration of bone quality by long-term magnetic field with extremely low frequency in rats.

掲載誌: Bone 2008; 42 (1): 74-80

この研究は、磁界(50 Hz、1 mT; MF)の長期ばく露(45日間)が、ラット大腿骨の生体力学的パラメータに及ぼす影響を調べた。骨密度(BMD)測定および組織学的検査も実施した。24匹の8週齢のWistar-Albino雌雄のラットを無作為に、雌の対照群(FC)およびMFばく露群(F-MF)、雄の対照群(MC)およびMFばく露群(M-MF)に分けた。BMDは、二重エネルギーX線吸収測定法によった。大腿骨幹の断面積をコンピュータ断層撮影法で評価した。生体力学的測定として、左大腿骨の骨幹中央部の引張試験を行い、最大荷重、変位、剛性、エネルギー吸収能力(構造特性)、極限応力、極限ひずみ、弾性率、靭性(材料特性)を算出した。組織学的検査として、右大腿骨の骨幹皮質骨の厚さを測定した。その結果、大腿骨皮質厚さには、性別とグループの間に統計的に有意な交互作用が見られたが、BMDと皮質断面積では有意な交互作用はなかった;ばく露群(F-MF、M-MF)の大腿骨のBMD、皮質の厚さおよび断面積の値は、対照群(FC、MC)と比較して有意に減少した;最大荷重、変位、剛性、極限応力、極限ひずみ、弾性率、靭性にも、性別とグループの間に統計的に有意な交互作用は見られなかったが、エネルギー吸収能力では見られた;その他にも影響の現れた項目を挙げ、結論として、ラットの骨質は磁界ばく露により低下したことが示された、と報告している。

研究目的(著者による)

本研究の狙いは、ラット大腿骨の生体力学的パラメータに対する慢性的な(45日間)50Hz、1mT磁界ばく露の影響を調査することであった。

詳細情報

8週齢の健康ラット合計24匹(ばく露群で雌雄各7匹、対照群で雌雄各5匹)を用いた。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: 4 h/day for 45 days

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 4 h/day for 45 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 70 cm x 65 cm x 65 cm Faraday cage
ばく露装置の詳細 pairs of circular Helmholtz coils with a diameter of 42.75 cm, a clearance of 21.375 cm and 160 turns of 2.2 mm insulated copper wire; rats placed in 26 cm x 17 cm x 13 cm polycarbonate cages in the center of the coils
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT - 測定値 - +/- 0.05 mT
電界強度 4.37 mV/m - 計算値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

磁界ばく露したラットでは、大腿骨の骨塩密度、皮質厚及び断面積が有意に減少した。
磁界ばく露したラットの生体力学的な骨のパラメータ、最大荷重、変位、剛性、極限応力、及び弾性率値は有意に低下した。磁界ばく露した雄ラットには、大腿骨での統計的に有意に少ない吸収エネルギーが認められた。ばく露ラットでは対照ラットよりも、極限歪が高かった。靭性の平均ばく露ラットで低下した。
組織学的検査では、対照群に正常な骨の構造、及びばく露群の特に雄に不規則な分離とブランクが認められた。
結論として、これらの結果は、ラットの骨の質が磁界ばく露によって低下することを示している。

研究の種別:

研究助成

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