研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[知覚するまたは敏感になる能力はあるか?] med./bio.

[Is there an ability to perceive or to be sensitive on?]

Bundesanstalt für Arbeitsschutz und Arbeitsmedizin, 2009; ISBN 978-3-88261-087-1

この文書は、ドイツ連邦労働安全衛生研究所(BAUA)のプロジェクト「電磁界に対する個人の知覚と反応感度:“電磁過敏症(EHS)”」の最終報告書(2009)である。この調査では、EMF、特に50 Hz磁界、またはGSM携帯電話からの電磁放射に対し、非常に敏感な人がいるのか否か、それは彼らに特別な生物学的問題がある故か、または彼らがEMFに非常に感受性が高い故か、高レベルの心理的または生理学的ストレスを持つ故かを調べた。調査対象者は、電磁界へのばく露に起因すると自身が信じる、さまざまな非特異的な健康問題を申告した45人と、そのような症状のない96人(男性48人、女性48人:対照群)であった。オフィス環境に設置されたコイルを用いて、10 μT、50 Hz磁界(10分間)のばく露または擬似ばく露をそれぞれ3回、また、実験室でファラデーコイル内に座って900 MHz GSM携帯電話(出力2 W)からのパルス変調電磁界(10分間)のばく露または擬似ばく露をそれぞれ3回、いずれもランダムシーケンスでの単純ブラインド化デザインの実験セッション被験者は参加し、セッション後にEMFへの何か感覚があったか否かを「はい」または「いいえ」で回答した。またセッション中、継続的に皮膚コンダクタンス反応(SCR)を測定した。その結果、実験期間中、SCRのレベルに有意な影響はなかった;すなわち、SCRレベルと真のEMFばく露との間に関係は見られなかった;電磁過敏症を申告した人を、データの分散分析から同定することはできなかった;ばく露が継続された場合と変更された場合に、SCRへの影響は見られなかった;電磁過敏症を申告した人は、電磁界ばく露がオンであると評価した回数が、オフと評価した回数より多かったが、正答率は偶然よりも良くはなかった;総括すると、ばく露と特別な生物学または特別な種類の感受性との関連の証拠は見つからず、電磁界に過敏な個人がいるという仮説は放棄されなければならないが、電磁過敏症は、各被験者の潜在意識である心理的現象を反映している可能性は高いかもしれない、と報告している。

研究目的(著者による)

生物学的特徴のために電磁界、特に50Hz磁界またはGSM携帯電話電波に非常に敏感な人々がいるかどうか、または、高いレベルの心理学的または生理学的ストレスのために電磁界の影響を非常に受けやすい人々がいるかどうかを調べること。

詳細情報

誘発研究で、自己申告の過敏な被験者45人、及び過敏でない(症状がない)被験者96人を、3回偽ばく露及び3回電磁界(50Hzまたは携帯電話に)ばく露した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: 3 times 10 min
ばく露2: 916.2 MHz
Modulation type: pulsed
ばく露時間: 3 times 10 min

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 3 times 10 min
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 coil with 5 turns placed in an office room where the test person was sitting
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 10 µT - - - -

ばく露2

主たる特性
周波数 916.2 MHz
タイプ
  • electromagnetic field
ばく露時間 3 times 10 min
Modulation
Modulation type pulsed
Pulse width 577 µs
Repetition frequency 217 Hz
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • セルラ-電話
ばく露装置の詳細 test person sitting in a Faraday cage, mobile phone fixed 30 cm beside the subject's head
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
電力 2 W maximum 測定値 - -
SAR 0.75 µW/g average over mass 測定値 brain -
電界強度 18.4 V/m - 測定値 - -
電力密度 0.9 W/m² maximum 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
  • 感覚器
調査の時期:
  • ばく露前
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

皮膚のコンダクタンス反応と実際の電磁界ばく露との関連はなかった。皮膚の導電率の反応は、むしろ、電磁界がアクティブかどうかという仮定に関連していた。敏感な反応を報告した人々は、電磁界がほとんどの時間をアクティブであったと割り当てたが、その正答率は偶然によるものよりも高くなかった。

著者らは、ばく露生物学的特徴または特殊な感受性との関連の証拠はないと結論付けた。これらの電磁界の特徴に過敏な人々がいるという仮説は破棄しなければならない。電磁過敏症は各々の被験者の潜在意識にある心理学的現象を反映しているという可能性の方がより高いであろう。

研究の種別:

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