研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[Baculum extradentatum(昆虫、ナナフシ目)の抗酸化防御及び健康状態に関連する形質に対する磁界の影響] med./bio.

Effect of magnetic fields on antioxidative defense and fitness-related traits of Baculum extradentatum (insecta, phasmatodea).

掲載誌: Bioelectromagnetics 2012; 33 (3): 265-273

この研究は、Baculum extradentatum(昆虫、ナナフシ目)の抗酸化防御および健康関連特性に対する磁界の影響を調べた。磁界ばく露は、産卵から胚発生完了まで実施し、その影響を幼虫で評価した。抗酸化防御に関してはスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)およびカタラーゼ(CAT)の活性、総グルタチオンGSH)含有量、健康影響に関しては卵の死亡率、発生動態、幼虫重量を、対照群磁界ばく露なし)、定常磁界ばく露群(CMF:50 mT)、交流磁界ばく露群(AMF:50 Hz、6 mT)で比較した。その結果、CMFばく露群およびAMFばく露群において、SODおよびCAT活性上昇が見られたが、GSH活性については磁界の影響はなかった;対照群ばく露群(CMFおよびAMF)の間で卵の死亡率に差は見られなかった;対照群とCMFばく露群の間、およびCMF群とAMF群の間で、発生期間の長さに有意差が観察された;3群間に幼虫の重量の差はなかった、と報告している。

研究目的(著者による)

ナナフシ(Baculum extradentatum)における抗酸化物質の活性に静磁界または交番磁界が影響するかどうかを調べること。

この磁界が卵の死亡率、胚発生及び孵化した幼虫の質量に及ぼす影響も調べた。

詳細情報

対照群及び2つのばく露群を分析した。
各群で調査した卵の総数:対照群(135);「静磁界ばく露群」(115)、「交番磁界ばく露群」(102)。
各実験群で、単一の雌から生まれた全ての幼虫をプールし、各群6-10匹のプールを10個作成した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1:
  • DC/static
ばく露時間: from oviposition until completion of the embryonic development
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: from oviposition until completion of the embryonic development

ばく露1

主たる特性
周波数
  • DC/static
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 from oviposition until completion of the embryonic development
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • permanent magnet
ばく露装置の詳細 permanent double-U-shaped magnet with a pole area of 25.6 cm² and a 7.2 cm gap between the poles; upper half of the magnet with two north poles at its ends and a south pole in the middle; lower part of the magnet with two south poles at its ends and a north pole in the middle; eggs placed in 3.5 cm Petri dishes between the poles at the ends of the magnet
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 50 mT - 測定値 - -
磁束密度 320 mT maximum 測定値 - at the poles

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 from oviposition until completion of the embryonic development
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 electromagnet consisting of three coil pairs placed around a regular laminated transformer core; each coil made of 84 turns of 1 mm diameter copper wire; surface of the magnet's poles = 44.6 cm²; space between the poles = 7 cm; eggs placed in 3.5 cm Petri dishes in the central pole area
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 6 mT average over time 測定値 - -

Reference articles

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

交番磁界または静磁界へのばく露は、ナナフシのスーパーオキシドジスムターゼ酵素活性を増加させた。カタラーゼ酵素活性は、対照群と比較して静磁界ばく露で増加傾向であった(但し統計的に有意ではなかった)。この酵素活性は、交番磁界ばく露群では対照群に対して有意な増加が見られた。全グルタチオン量については、どちらの磁界にも有意な影響は見られなかった。

対照群と実験群で卵の死亡率に有意差はなかった。
発生の時間に関しては、どちらの磁界にも有意な影響が見られた:発生の時間が低減した。両方の磁界ばく露群での発生の時間にも有意差が見られた:交番磁界ばく露群では静磁界ばく露群と比較して、発生の時間が短縮した。全ての群で、孵化した幼虫平均質量に有意差はなかった。

結論として、静磁界及び交番磁界はナナフシの抗酸化防御戦略を変化させ、変態プロセスを加速し得る(すなわち、胚発生を短縮する)。

研究の種別:

研究助成

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