研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[携帯電話基地局の近傍に住む人々の調査研究] epidem.

Survey study of people living in the vicinity of cellular phone base stations.

掲載誌: Electromagn Biol Med 2003; 22 (1): 41-49

この研究は、携帯電話基地局近傍居住と主観的症状の関連性について、質問票を用いた横断調査を実施した。基地局近傍居住の人および近傍居住でない人を含めた530人(男性270人、女性260人)を対象に調査した。高周波電磁界過敏症症状としてよく挙げられている18症状(非特異的健康症状)について、Yates補正したカイ二乗検定を用いて評価した。基地局から300 m以遠の居住者を、無ばく露参照群とした。その結果、特定の愁訴(吐き気、食欲不振、視覚障害)は、基地局のすぐ近く(最大距離10 mまで)の居住者のみが有意に多く報告した;イライラ感、抑うつ傾向、性欲低下は最大距離100 mまでの居住者が有意に多く報告した;頭痛睡眠障害、不快感は最大距離200 mまでの居住者が有意に多く報告した;200 mから300 mの区域の居住者は、疲労感のみを有意に多く報告した;調査された症状のうちの7つについてみると、最大距離300 mまでの居住者における訴えの報告頻度は、男性より女性の方が有意に高かった;調査参加者の年齢、アンテナやその他の電磁的要因との位置関係に関しても、有意差が観察された、と報告している。

研究の目的(著者による)

携帯電話基地局の近傍に住む人々の健康症状を調査した。

詳細情報

基地局から300m以遠に住む被験者を非ばく露と定義した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (パーセンテージ)

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 基地局からの推定距離: > 300 m
集団 2 基地局からの推定距離: < 10 m
集団 3 基地局からの推定距離: 10 - 50 m
集団 4 基地局からの推定距離: 50 - 100 m
集団 5 基地局からの推定距離: 100 - 200 m
集団 6 基地局からの推定距離: 200 - 300 m
集団 7 基地局の近くでの居住期間: < 1年
集団 8 基地局の近くでの居住期間: 1 ‐ 2年
集団 9 基地局の近くでの居住期間: 2 ‐ 5年
集団 10 基地局の近くでの居住期間: > 5年
集団 11 アンテナに関する位置:前面
集団 12 アンテナに関する位置:側面
集団 13 アンテナに関する位置:背後
集団 14 アンテナに関する位置:下方

調査対象集団

調査規模

タイプ
合計 570
参加者 530
統計学的分析方法:

結論(著者による)

被験者の20.7%は基地局から300m以遠に住んでいた。
吐き気、食欲不振、及び視覚障害の訴えは、携帯電話基地局の極近傍(10mまで)のみで経験された。100mまででは神経過敏、抑うつ傾向及び性欲減退が経験され、頭痛睡眠障害及び不快感は、基地局から200mまでで言及された。基地局から200-300mの距離ではけん怠感の訴えのみが経験された。報告された症状のうちの7つ、及び300mまでの距離での訴えの発生率は、男性よりも女性で有意に高かった。基地局近傍での居住期間の長さによる訴えの頻度に有意差は認められなかった。

研究助成

関連論文