研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[携帯電話基地局及び電力線への実際の及び認知上の近接度に関連した非特異的な身体症状] epidem.

Non-specific physical symptoms in relation to actual and perceived proximity to mobile phone base stations and powerlines.

掲載誌: BMC Public Health 2011; 11: 421

【背景と目的】非特異的身体症状(NSPS)と携帯電話基地局(BS)および電力線などの発生源から放射される電磁界EMF)へのばく露との因果関係の可能性についての証拠は不十分である。EMF関連NSPSの発症への心理学的要素の寄与に関する疫学研究はこれまでの殆ど公表されていない。この研究の主要目的は、人口統計学的、居住および地域的特性は調整して、基地局への実距離と認知上の接近度の相対的重要性、NSPSの決定因子としての心理学的要素を探索すること。【方法】オランダの2006年における環境と健康に関する横断研究で得られたデータを分析した。今回の研究では、22のオランダの住宅地域の3611人の成人の回答者(回答率37%)が質問紙に回答した。自己申告の用紙には、症状のチェックリスト、環境特性および心理学的特性の評価を含めた。自宅住所と基地局および電力線の位置との距離の計算は地図座標コードに基づいた。多重回帰モデルを用いて、NSPS発症に関連する決定因子についての仮説を検定した。【結果】人口統計学的、居住上の特性を調整した後、次のいくつかの有意な関連を分析はもたらした。NSPSの報告増加は、自己申告の環境過敏のレベルがより高いことにより大部分は予測された。基地局および電力線の位置との認知上の接近度、認知上の制御が低いこと、回避(対処)行動の増加もNSPSと関連した。BSへの認知上の接近度とNSPSの関連に対して認知上の環境過敏が緩和因子効果を持つ傾向が確認された(p = 0.055)。症状の発症とBSまたは電力線への実距離との有意な関連はなかった。【結論】BSへの認知上の接近度、心理学的要素、社会人口統計学的特性は、症候学的申告と関連した。EMF発生源への実距離はNSPSの決定因子としては表れなかった。

研究の目的(著者による)

携帯電話基地局及び電力線への実際の距離及び認知上の近接度に関連した非特異的な身体症状を調査するため、オランダにおいて横断的研究を実施した。

詳細情報

非特異的な身体症状(16項目)、環境感受性(9項目)、対抗手段(積極的な問題解決:5項目;回避:2項目)、認知上の制御欠如(2項目)をアンケートで評価した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ:

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
集団 1 携帯電話基地局までの認知上の近接度
集団 2 最も近い基地局までの計算上の距離
集団 3 電力線までの認知上の近接度
集団 4 最も近い電力線までの計算上の距離

調査対象集団

調査規模

タイプ
合計 9,502
参加者 3,611
参加率 37 %
統計学的分析方法:

結論(著者による)

非特異的な身体症状と、携帯電話基地局または電力線までの実際の距離との有意な関連は認められなかったが、社会人口統計学的及び心理学的要因は症状の報告に有意な影響を及ぼした。より高い自己申告の環境感受性、基地局及び電力線への認知上の近接度、より低い認知上の制御、回避の増加、賃貸住宅に住むこと、女性、より低い教育レベル、仕事をする能力のないことが、非特異的な身体症状の報告の増加と有意に関連していた。

研究助成

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