研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[携帯電話基地局と健康への悪影響:無線周波電磁界を測定した横断的研究のフェイズ2] epidem.

Mobile phone base stations and adverse health effects: phase 2 of a cross-sectional study with measured radio frequency electromagnetic fields.

掲載誌: Occup Environ Med 2009; 66 (2): 124-130

【目的】横断研究の目的は、携帯電話基地局から放射される低レベルの連続的RF電磁界ばく露することが多様な健康上の障害に関連するという仮説を検証することである。【方法】2006年の全国調査(30, 047人)の中から、都市部で生活する人を中心に選出した人(4, 150人)を対象に今回の調査を行った。郵送した質問紙に対し、3, 526人から回答が得られた(回答率85%)。ばく露評価には、異なる周波数のRF電磁界が測定できる計測器を用いた。最終的に計測値が得られたのは1326人であった。携帯電話基地局がどのように自分の健康に影響を与えているかに関する質問紙を郵送し、①睡眠障害(18項目Pittsburgh Sleep Ouality Index)、②頭痛(6項目Headache Impact Test)、③心身的愁訴(von Zerssen list)、標準化質問紙(SF-36)による④精神的および⑤身体的健康度などの情報が得られた。ストレスに関する情報も収集した(Trier Inventory of Chronic Stress簡易版)。種々の健康上の調査項目を従属変数として、重回帰分析を行った(n = 1326)。【結果】①から⑤の健康スコアの中央値に、ばく露群と非ばく露群による差異はなかった。健康悪影響の原因を基地局とする人は、①睡眠障害と③心身的愁訴の報告は顕著に多かったが、②頭痛と④精神的および⑤身体的健康度の報告は少なかった。懸念を持つ人と持たない人で健康スコアに差異はなかった。【結論】大規模な人口べース研究において、携帯電話基地局から放射されるRF電磁界測定値は健康悪影響と関連を示さなかった。

研究の目的(著者による)

ドイツにおいて実施した横断的研究のフェイズ2の狙いは、健康への悪影響と、携帯電話基地局から発せられた電磁界へのばく露の測定値との関連を調査することであった。本研究のフェイズ1は publication 16554 に発表されている。

詳細情報

以下のアンケートに従って健康状態を評価した:18項目のピッツバーグ睡眠質調査票、6項目の頭痛インパクト検査、24項目の心身不調(von Zerssenリスト)、36項目のSF-36健康調査、12項目の慢性ストレスのTrier Inventory。
界の合計の平均が90thパーセンタイルの0.1V/m(0.029mW/m2)超の場合、ばく露されたと定義した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ:

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 非ばく露:界の合計の平均 ≤ 0.1 V/m (0.029mW/m²)
集団 2 ばく露:界の合計の平均 > 0.1 V/m (0.029mW/m²)

調査対象集団

調査規模

タイプ
合計 4,150
参加者 1,808
評価可能 1,326
統計学的分析方法: ( 調整: )

結論(著者による)

全体として、携帯電話基地局から発せられた無線周波電磁界の測定値は、時間変化する電磁界への公衆のばく露制限についてのガイドラインよりも遥かに低かった。
5つの健康尺度のいずれについても、ばく露群と非ばく露群の参加者の中央値に差は認められなかった。但し、3つの群のリスク認知には差が認められた:健康への悪影響は基地局が原因だと考える参加者は、懸念していない人々よりも、睡眠障害及び健康不良を有意に多く報告した。著者らは、携帯電話基地局から発せられた無線周波電磁界の測定値は健康への悪影響と関連していなかった、と結論付けた。

研究助成

関連論文