研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[携帯電話基地局からのGSM放射に関連した自覚症状:横断的研究] epidem.

Subjective symptoms related to GSM radiation from mobile phone base stations: a cross-sectional study.

掲載誌: BMJ Open 2013; 3 (12): e003836

この研究は、Navarroらの論文(2003)のデータの再分析である。Navarroらは、2001年に、スペインのLa Nora(田園地域を一部に含む小規模都市(人口2万人程度)、環境汚染が少ない、言語・民族(白人)が同一、携帯電話基地局(BSs)稼動から2年以上が経過、という条件で選択された)において、BSsからのRFばく露と住民の自覚症状との関連を断面調査した。質問票の項目は、人口学的特性、電気機器の使用状況、居住歴、15種の自覚症状の発生頻度(「なし」から「高頻度で」までの4段階評価)、住宅から変圧器までの距離(10m未満から100m以上まで)など。2001年の調査では、質問票を17本の道路に沿って地図から選出した215戸の住宅に配布し、居住者150人から回収できた(30戸は留守、34戸は拒否)。調査期間中、この150戸のうち101戸で、寝室でのRF電磁界測定が実施できた(測定拒否16戸、予約した日に不在10戸、重病者23戸)。測定は、広帯域測定(400MHz-3GHz)を土曜日の11-19時に5分間行い、スペクトル分析した(TV、ラジオ、GSM900-1800など)。今回の再分析では、これらのデータから、13人の参加者を除外し(アルコール中毒者1、妊婦1、RF測定日の天候を同一にするため、雨天測定の11人も除外した)、88人のデータを分析した。なお、88人のうち66人には、2012年2月に電話調査で、2つの質問「BSsが建った時、心配したか」、「BSsからの放射が自分の健康を害すると思ったか」に回答を求めた。その結果、自覚症状の中で最もRF測定値と関連したのは食欲不振、集中困難、イライラ感、睡眠障害であり、前回の結果を確認するものであった;今回加えた2つの質問は参加者バイアスの検討のために行ったが、「心配した」と回答した人は全員、健康影響への心配をしており、「健康を害する」の肯定者は59.1%、否定者は40.9%であった。したがって、参加者にこのような懸念あることが交絡し、結果の確かさを減じた可能性がある、と報告している。

研究の目的(著者による)

携帯電話基地局からのマイクロ波ばく露に関連する健康症状を探究した、Navarro他(2003) による論文のデータの再分析を、新たな統計的アプローチを適用し、基地局からのばく露不安についての後ろ向き調査で得たデータを含めることで実施した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ:

ばく露

ばく露評価

調査対象集団

調査規模

タイプ
参加者 101
評価可能 88
その他:

アルコール乱用(n=1)、妊娠(n=1)、雨天時の測定(n=11)により除外

統計学的分析方法:

結論(著者による)

2001年には、全体で13.6%の参加者が定常的にコンピュータを使用し、23.9%が携帯電話を使用していた。
携帯電話基地局に最も多く関連付けられた症状は、食欲不振(OR 1.58、CI 1.23-2.03)、集中力欠如(OR 1.54、CI 1.25-1.89)、神経過敏(OR 1.51、CI 1.23-1.85);及び睡眠障害OR 1.49、CI 1.20-1.84)であった。基地局についての懸念は睡眠障害と強く関連していた(OR 3.12, CI 1.10-8.86)。

著者らは、本研究は Navarro他(2003) によって発表された先行研究の結果を確認した、と結論付けている。

研究助成

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