研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[培養マウス骨髄間葉系幹細胞の増殖および分化に対する電磁界の影響] med./bio.

Effect of electromagnetic fields on proliferation and differentiation of cultured mouse bone marrow mesenchymal stem cells

掲載誌: J Huazhong Univ Sci Technolog Med Sci 2005; 25 (2): 185-187

この研究は、50 Hz磁界ばく露パルスバースト波、ピークの磁束密度2 mT)により、マウス骨髄間葉幹細胞(MSC)のインビトロでの増殖分化細胞間サイクリックAMP(cAMP)に影響が生じるか否かを調べた。連続60分間のばく露を、6時間の間隔で2回実施した。マウス骨のMSCを単離、培養し、3回目の継代培養MSCを4群に分けた(ばく露群、擬似ばく露群、骨形成誘導剤を添加したばく露群と擬似ばく露群)。細胞増殖(MTT)、細胞分化アルカリホスファターゼ活性、ALP)、および細胞間cAMPレベルを、ばく露継続中のさまざまな時点で評価した。その結果、磁界ばく露は、細胞増殖抑制し(P <0.05)、細胞分化促進し(P <0. 05)、早期(ばく露1〜3日目)に細胞間cAMPレベルを増加させた(P <0.01);しかし、細胞間cAMPレベルは、それ以降では、それ以上増加しなかった、と報告している。

研究目的(著者による)

マウス骨髄間葉幹細胞における増殖分化及び細胞内サイクリックAMPに対する電磁界の影響をイン・ビトロで調べること。

詳細情報

マウス骨髄間葉幹細胞を4群に分けた:グループAは偽ばく露群、グループBは6時間間隔で毎日2回ばく露(各60分間)、グループC及びDは骨形成誘導剤を投与。グループCの細胞電磁界ばく露しなかった;グループDの細胞はグループBと同じ電磁界ばく露した。
細胞増殖細胞分化及び細胞内cAMPレベルを(ばく露中の)異なる時点で調査した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 60 min, twice a day with an interval of 6 h

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • pulsed
ばく露時間 continuous for 60 min, twice a day with an interval of 6 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 2 mT peak - - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露中

研究の主なアウトカム(著者による)

電磁界ばく露は、ばく露の早い時期(1-3日目)に細胞増殖を阻害し、細胞分化を強め、細胞内cAMPレベルを高めた。細胞内cAMPレベルはその後はそれ以上高くならなかった。

著者らは、イン・ビトロでの特定の電磁界の成長阻害及び分化誘導信号にはcAMPが関与しているかも知れない、と結論付けている。

研究の種別:

研究助成

関連論文