研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[ラット精巣のセルトリ細胞に対する電磁界の影響:光学顕微鏡および透過電子顕微鏡による研究] med./bio.

Effect of electromagnetic field on sertoli cell of rat testes: A light and transmission electron microscope study.

掲載誌: JIMSA 2004; 17: 136-140

この研究は、低周波磁界(50 Hz、8 mT)への出生前および出生後のばく露ラットセルトリ細胞の発達に与える影響を調べた。妊娠した40匹のラットばく露群(30匹)と対照群(10匹)に割り当てた。ばく露群は3週間の低周波磁界ばく露を受けた(その後に出生する仔ラット子宮ばく露を受けたことになる)。両群から出生した新生仔からそれぞれ30匹の雄の仔ラットが選択され、ばく露群から選択された仔ラット群は生後5週間まで低周波磁界ばく露を受けた。ばく露終了後、それぞれの群から15匹を選び(E1群、C1群)、屠殺して検査を行った。残り(E2群、C2群)はさらに8週間無ばく露に保った後に屠殺して検査を行った。精巣セルトリ細胞精原細胞の発達を調べる検査として、ヘマトキシリン-エオシン染色による光学顕微鏡法およびトルイジンブルー染色による電子顕微鏡法を実施した。その結果、E1群において、正常なセルトリ細胞構造の破壊を示すいくつかの兆候として、細胞核の凝縮、クリステ(ミトコンドリアの内側の薄膜などにある隆起部分)・封入体・リソソームの失われたミトコンドリアの存在、細胞質内の多数の液胞などが見られた;また、E1群において、セルトリ細胞間の接合部が破壊されていた;E2群では、ばく露を中止した後にセルトリ細胞精原細胞に回復の兆候が見られ、細胞間の空隙が消失した;C1群とC2群での観察に差はなかった、と報告している。

研究目的(著者による)

ラットセルトリ細胞の発達に対する出生前後の電磁界ばく露の影響を評価すること。

詳細情報

妊娠したラット40匹から30匹を選択し、電磁界に3週間ばく露子宮ばく露)し、10匹を対照群とした。
両群の出産後、雄の仔ラット各30匹を生後5週目までばく露した。ばく露後、実験群(EG1)及び対照群(CG1)の両群から各15匹を屠殺した。残り(EG2、CG2)を8週間非ばく露した後に屠殺した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 3 week in utero + 5 weeks after birth

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 3 week in utero + 5 weeks after birth
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 two coils separated by 50 cm; animals placed between the coils
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 8 mT - - - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

実験群1では、正常なセルトリ細胞の構造の崩壊についての複数の特徴:細胞核の凝縮、クリステのないミトコンドリアの存在、封入体、細胞質中のリソソームと多くの液胞が示された。セルトリ細胞間のジャンクションは崩壊した。実験群2では、ばく露撤回後のセルトリ細胞及び精原細胞の回復の兆候が見られた。細胞間の空隙は消失した。
対照群2での観察結果には、対照群1との差はなかった。

この結果は、長期的な電磁界ばく露は、不妊につながるかも知れないセルトリ細胞の変化を強め得ることを示唆している。

研究の種別:

研究助成

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