この研究は、脈動電磁界(PEMF)ががん細胞の増殖と死滅に影響を与える可能性があるか否かを調べた。実験にはヒトリンパ球細胞株U937を用い、細胞密度を1 × 106/ mlから0.0625 × 106/ mlまで変えた試料で実験した。それぞれの細胞試料に50 Hz、45 ± 5 mTのPEMFの3時間ばく露を、24時間間隔で3回行った。培養4日間の増殖を、PEMFばく露群および非ばく露群の細胞を計数することで測定した。細胞の生存率は、APC標識アネキシンVおよび7-AAD(7-アミノ-アクチノマイシンD)色素結合およびフローサイトメトリによって分析した。U937細胞の培養において、細胞密度の増加は細胞死を増加させる。実験の結果、PEMFばく露は、高密度の試料においてのみ、細胞数を減少させた;アネキシンV結合および7-AAD色素取り込みの測定により、密度が原因で誘導される細胞死が増殖活性の低下に対応することが示された;PEMFは、アポトーシスと壊死の両方での密度による細胞死を増強した;PEMFの最も強い影響は、1 × 106/ mlおよび0.5× 106/ ml密度で見られた、と報告している。次に、細胞死に対する密度の影響を排除するために、密度0.25× 106/mlの試料を用いて、細胞死誘導物質としてピューロマイシン(テロメラーゼ阻害剤)を添加した実験を行った。ピューロマイシンは3つの用量を用いた。その結果、ピューロマイシンとPEMFの組み合わせばく露は、アポトーシスを24.7 %減少させ、壊死を13 %減少させた;PEMFは、ピューロマイシンによる細胞死からU937細胞を保護することが示された、と報告している。
異なる細胞密度(1x106cellls/mlから、0.5、0.25、0.125、0.062x106 cells/mlまで)を用いてばく露した。細胞死を誘導するため、高用量のピューロマイシン(抗がん剤)100µg/mlを、細胞密度が 0.25 x106cells/mlの細胞培地に添加した(最初のPEMFばく露周期または3回全てのPEMFばく露の際に同時に)。ばく露の4日後に細胞を調査した。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
three times 3 hr with 24 hr intervals
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cells were co-exposed to 0, 1 or 3 doses of puromycin
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | three times 3 hr with 24 hr intervals |
ばく露の発生源/構造 |
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ばく露装置の詳細 | plate with cells placed in the generator pocket |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 45 mT | - | - | - | +/- 5 mT |
このデータは、より高い初期の細胞密度で、U937細胞培地での細胞死の増加を示した。PEMFばく露は、より高い細胞密度でのみ細胞の量を更に減らし、アポトーシスを誘導した(即ち、アネキシンV陽性細胞を増加させた)。PEMFばく露は、アポトーシス及びネクローシスを通じて、細胞密度によって生じた細胞死を強めた。PEMFばく露の最も強い影響力は、細胞密度が1 x 106 cells/ml及び0.5 x 106 cells/mlで見られた。
細胞死に対する細胞密度の影響を排除するため、ピューロマイシンありの以降の実験では0.25 x 106 cells/mlの細胞密度を用いた。3つの用量のピューロマイシンとPEMFの共ばく露は、アポトーシスを24.7%、ネクローシスを13%減少させた。
結論として、PEMFばく露はU937細胞をピューロマイシンによる細胞死から防護した。U937細胞株に対するPEMFばく露の影響は細胞密度に依存する。
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