研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[成人の携帯電話周波数への個人ばく露と安寧:ドシメトリに基づく横断的研究] epidem.

Personal exposure to mobile phone frequencies and well-being in adults: a cross-sectional study based on dosimetry.

掲載誌: Bioelectromagnetics 2008; 29 (6): 463-470

この研究は、携帯電話周波電磁界へのばく露成人の安寧の関連を調査した。ババリア地方の4つの町に住む成人329人(人口ベースの無作為抽出標本)を対象に、個人ばく露計(1秒単位のデータ収集、検出限界0.05V/m)による24時間ばく露の推移を携帯電話の3つの周波数帯で測定した。起きている時間のばく露レベルを総合し、ICNIRPガイドラインの参考レベルに対する割合(%)で表した。対象者は各自、終日の急性症状について日誌をつけた。慢性症状および潜在的交絡因子のデータは個人インタビューで収集した。その結果、無線周波電磁界への全般的ばく露レベルは、ICNIRPガイドラインの参考レベルを著しく下回った;慢性症状、急性症状ともばく露との有意な関連を示さなかった、と報告している。

研究の目的(著者による)

成人携帯電話周波数へのばく露レベルと安寧をドシメトリに基づいて調査するため、ドイツにおいて横断的研究を実施した。

詳細情報

本研究は、騒音ばく露と安寧についての進行中の研究に組み込まれた。個人ドシメータを用いた3つの異なる周波数範囲の測定によってばく露を評価した。参加者は日中にドシメータを装着し、夜間はベッドの横に置いた。ICNIRPの参考レベルpublication 3602)に対する界強度のパーセンテージを計算し、3つの時間帯(日中、午前、午後)について四分位に分類した。参加者はドシメータ装着前の6か月間の慢性症状についてのアンケートに記入し、24時間測定中の昼及び夕方の急性症状についての質問に回答した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 日中のばく露、第1四分位:ICNIRP限度値の0.134 - 0.145%
集団 2 日中のばく露、第2四分位:ICNIRP限度値の0.145 - 0.167%
集団 3 日中のばく露、第3四分位:ICNIRP限度値の0.167 - 0.211%
集団 4 日中のばく露、第4四分位:ICNIRP限度値の0.211 - 0.583%
参照集団 5 午前のばく露(6 a.m.-12 p.m.)、第1四分位:ICNIRP限度値の0.133 - 0.136%
集団 6 午前のばく露(6 a.m.-12 p.m.)、第2四分位:ICNIRP限度値の0.136 - 0.153%
集団 7 午前のばく露(6 a.m.-12 p.m.)、第3四分位:ICNIRP限度値の0.153 - 0.193%
集団 8 午前のばく露(6 a.m.-12 p.m.)、第4四分位:ICNIRP限度値の0.193 - 0.559%
参照集団 9 午後のばく露(12 p.m.-6 p.m.)、第1四分位:ICNIRP限度値の0.129 - 0.147%
集団 10 午後のばく露(12 p.m.-6 p.m.)、第2四分位:ICNIRP限度値の0.147 - 0.168%
集団 11 午後のばく露(12 p.m.-6 p.m.)、第3四分位:ICNIRP限度値の0.168 - 0.218%
集団 12 午後のばく露(12 p.m.-6 p.m.)、第4四分位:ICNIRP限度値の0.218 - 0.713%

調査対象集団

調査規模

タイプ
合計 329
統計学的分析方法: ( 調整: )

結論(著者による)

ばく露レベルはICNIRPの参考レベルよりも遥かに低く、覚醒時はICNIRPの参考レベルの0.13%-0.56%の範囲であった。最も多く報告された慢性症状睡眠障害(58%)及びけん怠感(21%)で、最も多く報告された急性症状は夕方のけん怠感(43%)であった。携帯電話周波数への個人ばく露慢性または急性症状との統計的に有意な関連は認められなかった。

研究の限界(著者による)

サンプルサイズは比較的小さかった。ドシメータを移動した場合にしかドシメータの妥当な測定値が得られなかったため、就寝中のばく露レベルは分析から除外せざるを得なかった。

研究助成

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