研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[マウスの静磁界及び超低周波電磁界への連続的な全身ばく露の生物学的変化の評価] med./bio.

Assessment of biological changes of continuous whole body exposure to static magnetic field and extremely low frequency electromagnetic fields in mice.

掲載誌: Ecotoxicol Environ Saf 2008; 71 (3): 895-902

静的磁界(SMFs)および超低周波電磁界(ELF-EMF)が生物学的影響を引き起こすか否かという問題は特別な関心を引いている。我々は、これらの界に、30日間、連続的に全体ばく露することが、マウスの肝臓血液のいくつかのパラメーターに与える効果を調査した。2つのばく露システムが設計された。第1のものが勾配SMFを産み出したのに対し、第2のものは一律の50Hz ELF-EMFを生み出した。結果は、マウスがどちらかの界にばく露されたときも、漸次の体重減少を示した。これに連動して、ブドウ糖値、総タンパク量、血清中のアルカリホスファターゼ活性レベルも顕著な下降を示した(p<0.05)。乳酸脱水素酵素活性の顕著な増加が血清および肝臓で示され、それに、肝臓γグルタミルトランスフェラーゼ活性の顕著な上昇が伴った。肝臓におけるグルタチオン-S-トランスフェラーゼ活性および脂質過酸化レベルは、肝臓グルタチオン成分の顕著な下降が記録されている間に、顕著に増加した。単核白血球血小板、末梢リンパ球、さらに、脾臓のTおよびB白血球の総レベルが、SMFおよびELF-EMFばく露グループで観察された。顆粒球パーセンテージが顕著に増加していた。以上の結果が指し示すところは、SMFあるいはELF-EMFへのばく露と、酸化還元バランスを圧迫し生理学的障害を引き起こすことを通じての酸化ストレスとの間には、関係があるということである。

研究目的(著者による)

雄マウスの主に肝臓及び血液における生理学的パラメータの変化に対する、2つの異なる発生源から発せられる電磁界(静的及び変動電磁界)への30日間の連続的な全身ばく露の影響を調べること。

詳細情報

マウスを8匹ずつ3群に分けた:対照群1つ(偽ばく露)及びばく露群2つ(静的及び時間変動ばく露)。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1:
  • DC/static
ばく露時間: continuous for 30 days
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 30 days

General information

for further information on the LF-exposure setup see: Kowalczuk, C.I., Sienkiewicz, Z.J., Saunders, R.D. "Biological Effects of Exposure to Non-ionizing Electromagnetic fields and Radiation. I. static Electric and Magnetic Fields (NRPB-R238) Natl. Radiat. Protec. Board, Chilton, UK, 1991

ばく露1

主たる特性
周波数
  • DC/static
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 30 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • magnets
ばく露装置の詳細 mice in a Perpex cage with a large magnet on two opposite sides, a small magnet the other two opposite sides and a medium magnet on the floor to build the gradient field
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 2.9 µT maximum 測定値 - - 2.9 - +2.9 µT

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 30 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 two Helmholtz coils each with a diameter of 40 cm and 200 turns on a wooden support frame, 20 cm apart; cage between the coils
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1.4 mT effective value 測定値および計算値 - +/- 0.1 mT

Reference articles

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

データは、動物をどちらかの電磁界ばく露した場合の緩やかな体重減少を示した。これは血清中のグルコースのレベル、総タンパク質アルカリホスファターゼ酵素活性有意な低下を伴った。血清及び肝臓での乳酸デヒドロゲナーゼの酵素活性有意な上昇、ならびに肝臓でのガンマ‐グルタミルトランスフェラーゼの酵素活性有意な上昇が認められた。肝臓でのグルタチオンS-トランスフェラーゼの酵素活性及び脂質過酸化のレベルは有意に上昇し、肝臓グルタチオン量には有意な低下が記録された。
どちらのばく露群にも、単球血小板、末梢リンパ球の数、ならびに脾臓のT細胞及びBリンパ球の合計レベルの有意な低下が認められた。顆粒球の割合は有意に高かった。
この知見は、静磁界または超低周波電磁界へのばく露酸化ストレスには、生理学的な乱れにつながる酸化還元バランス攪乱を通じた関連があることを示している。

研究の種別:

研究助成

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