研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[肝機能に対する50Hz磁界の影響] med./bio.

The Influence of 50 Hz Magnetic Field on Liver Function

掲載誌: Romanian J Biophys 2008; 18 (2): 113-122

この研究は、ラットを用いた実験で、さまざまな強度の50Hz磁界ばく露が肝機能に与える影響を調べた。肝機能は、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アルカリホスファターゼ(ALP)、ビリルビンアルブミンタンパク質を評価した。加えて、肝臓組織酸化状態への影響も分析した。平均体重140 – 160 gのオスのSparague-Dawelyラット80匹を5群に分けた(各n = 16)。すなわち、擬似ばく露対照群ばく露レベルの異なる4つのばく露群(0.2、0.6、1.0、1.4 mT)である。それぞれのばく露は2時間/日で、ばく露期間は2週間であった。ばく露終了後に全ラットを屠殺し、血液サンプルを採取し、肝臓を摘出して、分析した。その結果、調査したすべての肝酵素の濃度が、磁界ばく露により有意に上昇した;ビリルビンとASTはどちらも、ばく露により90 %超上昇し、アルブミンおよびALTはそれぞれ、約11 %および22 %上昇した;磁界ばく露による肝臓脂質過酸化の増加およびグルタチオン濃度の低下が有意であった;これらの知見は、グルタチオンGSH / GSSG)およびニコチンアミドジヌクレオチドNADH / NAD)の酸化還元電位磁界ばく露の影響を受けることを示唆する、と報告している。

研究目的(著者による)

肝臓の数値及び肝組織における酸化ストレスに対する、異なる強度の50Hz磁界へのラット全身ばく露の影響を調べること。

詳細情報

ラット80匹を16匹ずつ4群に分けた。グループ1は偽ばく露、グループ2-5はそれぞれ異なる強度の磁界ばく露した。ばく露後、ラットを屠殺し、血液サンプルを採取し、肝臓を摘出した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: two h/day for one week
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: two h/day for one week
ばく露3: 50 Hz
ばく露時間: two h/day for one week
ばく露4: 50 Hz
ばく露時間: two h/day for one week

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 two h/day for one week
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 rats housed four per cage with cages exposed in an area of a constant magnetic field
ばく露装置の詳細 two Helmholtz coils distant by 15 cm, each one with a diameter of 30 cm and 250 turns; diameter of coil wires 0.7mm
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 0.2 mT - 測定値 - group 2

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 two h/day for one week
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 0.6 mT - 測定値 - group 3

ばく露3

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 two h/day for one week
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT - 測定値 - group 4

ばく露4

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 two h/day for one week
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1.4 mT - 測定値 - group 5

Reference articles

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

グループ4及び5で調査した全ての肝臓の数値は、対照群(グループ1)と比較して有意に上昇していた。アラニンアミノトランスフェラーゼ及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼについては、有意に高い数値がグループ3(0.6mT)で既に測定できた。肝臓脂質過酸化はグループ3、4及び5で有意に増加したが、これらのグループでは偽ばく露群と比較してグルタチオンのレベルは有意に減少し、このことは酸化ストレスを示している。

著者らは、強度が0.6mTからの50Hz磁界への全身ばく露にはラット肝臓の数値及び酸化ストレスに対して有意な影響がある、と結論付けている。

研究の種別:

研究助成

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