研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[2007-2009年に診断された髄膜腫の患者と携帯電話及びコードレス電話使用との関連:症例対照研究] epidem.

Meningioma patients diagnosed 2007--2009 and the association with use of mobile and cordless phones: a case-control study.

掲載誌: Environ Health 2013; 12 (1): 60

この研究は、著者らが以前に行った脳腫瘍症例対照研究(2007-2009年に診断された、18-75歳の脳腫瘍症例群と1症例に対し人口ベースで性・年齢をマッチさせた1対照を選出して設定した対照群ばく露評価は質問票による)から、髄膜腫症例709人と利用可能な全ての対照1368人の質問票の回答を、条件なしのロジスティック回帰分析を行った。携帯電話の使用の全体では、オッズ比OR)= 1.0、95%信頼区間(CI)= 0.7-1.4であり、コードレス電話使用では、OR = 1.1、95% CI = 0.8-1.5であった;リスクは、累積使用時間(100時間刻み)により統計的に有意に上昇した;全ての電話の累積使用時間の4分位法の第4分位(>2376 時間)でORは最も高かった、などを報告している。

研究の目的(著者による)

携帯電話及びコードレス電話の使用と髄膜腫との関連を調査するため、スウェーデンにおいて症例対照研究を実施した。

詳細情報

ばく露群は次のように定義した:携帯電話またはコードレス電話使用なし、または最初の使用から診断年まで1年未満、または累積使用が39時間未満。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 非ばく露
集団 2 アナログ携帯電話の潜伏期間 > 1年
集団 3 アナログ携帯電話の潜伏期間 > 1-5年
集団 4 アナログ携帯電話の潜伏期間 > 5-10年
集団 5 アナログ携帯電話の潜伏期間 > 10-15年
集団 6 アナログ携帯電話の潜伏期間 > 15-20年
集団 7 アナログ携帯電話の潜伏期間 > 20-25年
集団 8 アナログ携帯電話の潜伏期間 ≥ 25年
集団 9 デジタル(2G)携帯電話の潜伏期間 > 1年
集団 10 デジタル(2G)携帯電話の潜伏期間 > 1-5年
集団 11 デジタル(2G)携帯電話の潜伏期間 > 5-10年
集団 12 デジタル(2G)携帯電話の潜伏期間 > 10-15年
集団 13 デジタル(2G)携帯電話の潜伏期間 > 15-20年
集団 14 デジタル(2G)携帯電話の潜伏期間 > 20-25年
集団 15 デジタル(2G)携帯電話の潜伏期間 ≥ 25年
集団 16 デジタル(3G)携帯電話の潜伏期間 > 1年
集団 17 デジタル(3G)携帯電話の潜伏期間 > 1-5年
集団 18 デジタル(3G)携帯電話の潜伏期間 > 5-10年
集団 19 デジタル(3G)携帯電話の潜伏期間 > 10-15年
集団 20 デジタル(3G)携帯電話の潜伏期間 > 15-20年
集団 21 デジタル(3G)携帯電話の潜伏期間 > 20-25年
集団 22 デジタル(3G)携帯電話の潜伏期間 ≥ 25年
集団 23 携帯電話の潜伏期間 > 1年
集団 24 携帯電話の潜伏期間 > 1-5年
集団 25 携帯電話の潜伏期間 > 5-10年
集団 26 携帯電話の潜伏期間 > 10-15年
集団 27 携帯電話の潜伏期間 > 15-20年
集団 28 携帯電話の潜伏期間 > 20-25年
集団 29 携帯電話の潜伏期間 ≥ 25年
集団 30 コードレス電話の潜伏期間 > 1年
集団 31 コードレス電話の潜伏期間 > 1-5年
集団 32 コードレス電話の潜伏期間 > 5-10年
集団 33 コードレス電話の潜伏期間 > 10-15年
集団 34 コードレス電話の潜伏期間 > 15-20年
集団 35 コードレス電話の潜伏期間 > 20-25年
集団 36 コードレス電話の潜伏期間 ≥ 25年
集団 37 デジタル電話(2G、3G及び/またはコードレス電話)の潜伏期間 > 1年
集団 38 デジタル電話(2G、3G及び/またはコードレス電話)の潜伏期間 > 1-5年
集団 39 デジタル電話(2G、3G及び/またはコードレス電話)の潜伏期間 > 5-10年
集団 40 デジタル電話(2G、3G及び/またはコードレス電話)の潜伏期間 > 10-15年
集団 41 デジタル電話(2G、3G及び/またはコードレス電話)の潜伏期間 > 15-20年
集団 42 デジタル電話(2G、3G及び/またはコードレス電話)の潜伏期間 > 20-25年
集団 43 デジタル電話(2G、3G及び/またはコードレス電話)の潜伏期間 ≥ 25年
集団 44 ワイヤレス電話の潜伏期間 > 1年
集団 45 ワイヤレス電話の潜伏期間 > 1-5年
集団 46 ワイヤレス電話の潜伏期間 > 5-10年
集団 47 ワイヤレス電話の潜伏期間 > 10-15年
集団 48 ワイヤレス電話の潜伏期間 > 15-20年
集団 49 ワイヤレス電話の潜伏期間 > 20-25年
集団 50 ワイヤレス電話の潜伏期間 ≥ 25年

調査対象集団

症例集団

対照集団

調査規模

症例 対照
適格者 1,039 1,601
連絡担当者 920 -
参加者 814 1,368
参加率 88 % 85 %
その他:

髄膜腫の症例709人、その他の両性の脳腫瘍の症例106人

統計学的分析方法: (調整: )

結論(著者による)

携帯電話使用(OR 1.0、CI 0.7-1.4)またはコードレス電話使用(OR 1.1、CI 0.8-1.5)と髄膜腫との全体的な関連は認められなかった。累積使用時間が100時間毎にリスクは統計的に有意に上昇し、全ての種類の電話についての累積使用の第4四分位値(> 2376時間)で最も高いOR(1.4、CI 0.9-2.0)が認められた。同側での携帯電話またはコードレス電話使用、側頭葉での髄膜腫、または潜伏期間については、統計的に有意なリスク上昇は認められなかった。腫瘍の体積は潜伏期間またはワイヤレス電話の累積使用時間と関連していなかった。

著者らは、携帯電話及びコードレス電話の使用と髄膜腫との決定的な証拠は認められなかった、と推論した。累積使用時間が最も高いグループにおいてリスク上昇の兆候が認められたが、これは潜伏期間に伴う統計的に有意なリスク上昇によって支持されなかった。

研究助成

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