研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[携帯電話と脳腫瘍のリスク:人口ベースの発生率についての症例対照研究] epidem.

Cellular telephones and risk for brain tumors: a population-based, incident case-control study.

掲載誌: Neurology 2005; 64 (7): 1189-1195

この研究は、髄膜腫および神経膠腫の発症症例を用いた人口ベース症例対照研究で、神経膠腫および髄膜腫携帯電話使用との関連性を評価した。2000年9月1日から2002年8月31日の間にデンマークで診断された全ての神経膠腫骨髄腫の症例を突きとめ、そのうち20歳から69歳までの神経膠腫症例252名、骨髄腫症例175名を調査対象とした。各症例と年齢、性別をマッチさせた822名の対照を人口から無作為抽出した。情報は、個人別のインタビュー、診断結果、X線検査結果を含む医療記録から得た。携帯電話の受信、送信回数を質問し、併せて回答者の記憶力テストを実施した。その結果、症例群と対照群、または参加者群と非参加者群との間に、社会経済的な差は見られなかった;携帯電話の使用は、高グレード神経膠腫リスク低下と関連した(0.58:95%信頼区間0.37-0.90);低グレード神経膠腫(1.08:同0.58-2.00)および髄膜腫(1.00:同0.54-1.28)のリスク推定値は1に近かった、と報告している。

研究の目的(著者による)

脳腫瘍携帯電話使用との間にあるかも知れない関連を調査するため、デンマークにおいて人口ベース症例対照研究を実施した。本研究はインターフォン・プロジェクトの一部である。

詳細情報

携帯電話の定常的使用は、6か月以上にわたって少なくとも週1回使用と定義した

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 定常的使用なし
集団 2 定常的に使用
参照集団 3 最初の使用からの期間:なし、または< 1 年
集団 4 最初の使用からの期間:1-4 年
集団 5 最初の使用からの期間:≤ 5 年
集団 6 最初の使用からの期間:5-9 年
集団 7 最初の使用からの期間:≥ 10 年
参照集団 8 生涯の通話件数:なし、またはほとんどなし
集団 9 生涯の通話件数:≤ 2349
集団 10 生涯の通話件数:> 2349-≤ 8921
集団 11 生涯の通話件数:> 8921
参照集団 12 生涯の通話時間:なし、またはほとんどなし
集団 13 生涯の通話時間:≤ 115.6
集団 14 生涯の通話時間:> 115.6-≤ 467.9
集団 15 生涯の通話時間:> 467.9
参照集団 16 診断の5年前の使用時間:なし、またはほとんどなし
集団 17 診断の5年前の使用時間:1-4 年
集団 18 診断の5年前の使用時間:≥ 5 年、≥ 57.2 時間
集団 19 診断の5年前の使用時間:≥ 5 年、< 57.2 時間
参照集団 20 使用の強度:なし、またはほとんどなし
集団 21 使用の強度:< 15 分/日
集団 22 使用の強度:≥ 15-< 60 分/日
集団 23 使用の強度:≥ 60 分/日
参照集団 24 電離放射線:なし
集団 25 電離放射線:低、診断用
集団 26 電離放射線:高、診断用
集団 27 電離放射線:職業的
集団 28 電離放射線:放射線治療
参照集団 29 電離放射線及び定常的な携帯電話使用:両方なし
集団 30 電離放射線及び定常的な携帯電話使用:定常的使用のみ
集団 31 電離放射線及び定常的な携帯電話使用:電離放射線のみ
集団 32 電離放射線及び定常的な携帯電話使用:両方あり

調査対象集団

症例集団

対照集団

調査規模

症例 対照
適格者 592 -
参加者 427 822
参加率 74 % 64 %
その他:

神経膠腫:適格者数354人、参加者数252人;髄膜腫:適格者数238人、参加者数175人

統計学的分析方法: (調整: )

結論(著者による)

結果は、脳腫瘍リスク携帯電話使用との関連を支持しなかった。データは、高グレードの神経膠腫リスク低下を示した。

研究の限界(著者による)

観察期間は10年間に限定された。

研究助成

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