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疫学研究 (observational study)

[2007-2009年に診断された悪性脳腫瘍と携帯電話及びコードレス電話使用との関連についての症例対照研究]

Case-control study of the association between malignant brain tumours diagnosed between 2007 and 2009 and mobile and cordless phone use.

掲載誌: Int J Oncol 2013; 43 (6): 1833-1845
この研究は、2007-2009年に診断された悪性脳腫瘍と無線電話(携帯電話およびコードレス電話)の使用との関連についての症例対照研究である。症例はがん登録から1601例を同定し、症例と同数の対照を人口登録から症例にマッチさせて選出した(症例と同性で5歳差以内)。同定された症例の内、死亡、重篤、医師の不許可などの症例を除外した結果、683症例に自記式質問票を郵送した。一方、対照については、全対照に郵送した。全対照群を用いて、性、年齢、診断年、社会経済的指標を調整した条件無しのロジスティック回帰分析を行った。その結果、参加率は、症例87% (n=593) 、対照85% (n=1,368) であった;アナログ電話使用のオッズ比OR)は 1.8(95% 信頼区間(CI)=1.04-3.3)、使用期間>25年ではOR=3.3、95% CI=1.6-6.9であった;第2世代デジタル電話では、OR=1.6, 95% CI=0.996-2.7、使用期間>15-20年ではOR=2.1、95% CI=1.2-3.6であった;コードレス電話では、OR=1.7、95% CI=1.1-2.9、使用期間>15-20年ではOR=2.1、95% CI=1.2-3.8であった、などを報告している。

研究の目的(著者による)

悪性脳腫瘍携帯電話及びコードレス電話の使用との関連を調査するため、スウェーデンにおいて症例対照研究を実施した。

詳細情報

この症例対照研究髄膜腫についての結果は、 Carlberg他(2013) で発表されている。

ばく露群は次のように定義した:携帯電話またはコードレス電話使用なし、または最初の使用から診断年まで1年未満、または累積使用が39時間未満。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ:
  • 発生率
(オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

参照集団 1 非ばく露
集団 2 アナログ携帯電話の潜伏期間 > 1年
集団 3 アナログ携帯電話の潜伏期間 > 1-5年
集団 4 アナログ携帯電話の潜伏期間 > 5-10年
集団 5 アナログ携帯電話の潜伏期間 > 10-15年
集団 6 アナログ携帯電話の潜伏期間 > 15-20年
集団 7 アナログ携帯電話の潜伏期間 > 20-25年
集団 8 アナログ携帯電話の潜伏期間 > 25年
集団 9 デジタル(2G)携帯電話の潜伏期間 > 1年
集団 10 デジタル(2G)携帯電話の潜伏期間 > 1-5年
集団 11 デジタル(2G)携帯電話の潜伏期間 > 5-10年
集団 12 デジタル(2G)携帯電話の潜伏期間 > 10-15年
集団 13 デジタル(2G)携帯電話の潜伏期間 > 15-20年
集団 14 デジタル(2G)携帯電話の潜伏期間 > 20-25年
集団 15 デジタル(2G)携帯電話の潜伏期間 > 25年
集団 16 デジタル(3G)携帯電話の潜伏期間 > 1年
集団 17 デジタル(3G)携帯電話の潜伏期間 > 1-5年
集団 18 デジタル(3G)携帯電話の潜伏期間 > 5-10年
集団 19 デジタル(3G)携帯電話の潜伏期間 > 10-15年
集団 20 digital (3G) mobile phone > 15- to 20-year latency period
集団 21 デジタル(3G)携帯電話の潜伏期間 > 20-25年
集団 22 デジタル(3G)携帯電話の潜伏期間 > 25年
集団 23 携帯電話の潜伏期間 > 1年
集団 24 携帯電話の潜伏期間 > 1-5年
集団 25 携帯電話の潜伏期間 > 5-10年
集団 26 携帯電話の潜伏期間 > 10-15年
集団 27 携帯電話の潜伏期間 > 15-20年
集団 28 携帯電話の潜伏期間 > 20-25年
集団 29 携帯電話の潜伏期間 > 25年
集団 30 コードレス電話の潜伏期間 > 1年
集団 31 コードレス電話の潜伏期間 > 1-5年
集団 32 コードレス電話の潜伏期間 > 5-10年
集団 33 コードレス電話の潜伏期間 > 10-15年
集団 34 コードレス電話の潜伏期間 > 15-20年
集団 35 コードレス電話の潜伏期間 > 20-25年
集団 36 コードレス電話の潜伏期間 > 25年
集団 37 デジタル電話(2G、3G及び/またはコードレス電話)の潜伏期間 > 1年
集団 38 デジタル電話(2G、3G及び/またはコードレス電話)の潜伏期間 > 1-5年
集団 39 デジタル電話(2G、3G及び/またはコードレス電話)の潜伏期間 > 5-10年
集団 40 デジタル電話(2G、3G及び/またはコードレス電話)の潜伏期間 > 10-15年
集団 41 デジタル電話(2G、3G及び/またはコードレス電話)の潜伏期間 > 15-20年
集団 42 デジタル電話(2G、3G及び/またはコードレス電話)の潜伏期間 > 20-25年
集団 43 デジタル電話(2G、3G及び/またはコードレス電話)の潜伏期間 > 25年
集団 44 ワイヤレス電話の潜伏期間 > 1年
集団 45 ワイヤレス電話の潜伏期間 > 1-5年
集団 46 ワイヤレス電話の潜伏期間 > 5-10年
集団 47 ワイヤレス電話の潜伏期間 > 10-15年
集団 48 ワイヤレス電話の潜伏期間 > 15-20年
集団 49 ワイヤレス電話の潜伏期間 > 20-25年
集団 50 ワイヤレス電話の潜伏期間 > 25年

調査対象集団

  • グループ:
    • 男性
    • 女性
  • 年齢: 18–75年
  • 観察期間: 2007 - 2009
  • 調査地域: スウェーデン

症例集団

対照集団

  • 選択方法:
    • 人口集団ベース
  • マッチング:
    • 性別
    • 地域
    • 5歳毎の年齢グループ

調査規模

症例 対照
適格者 1,334 1,601
連絡担当者 683 -
参加者 593 1,368
参加率 87 % 85 %
統計学的分析方法:
  • 条件なしロジスティック回帰
( 調整:
  • 5歳年齢階級
  • 性別
  • 社会経済的状況
  • 診断
)

結論(著者による)

アナログ携帯電話使用について、悪性脳腫瘍リスク上昇が認められ(OR 1.8、CI 1.04-3.3)、潜伏期間が > 25年で上昇した(OR 3.3、CI 1.6-6.9)。2Gデジタル携帯電話使用についてのリスク上昇が認められ(OR 1.6、CI 0.996-2.7)、潜伏期間が > 15-20年で上昇した(OR 2.1, CI 1.2-3.6)。コードレス電話使用についてもリスク上昇が認められた(OR 1.7、CI 1.1-2.9;潜伏期間が > 15-20年:OR 2.1、CI 1.2-3.8)。デジタル携帯電話及びコードレス電話の使用は潜伏期間が > 1-5年でリスク上昇を示し、それ以上の潜伏期間のグループではリスクが低下したが、> 15-20年ではリスクが再び上昇した。デジタル携帯電話及びコードレス電話の同側使用は反対側使用よりも高いリスクを生じた。側頭葉及び重複する葉での脳腫瘍で、より高いオッズ比が計算された。

著者らは、本研究は悪性脳腫瘍携帯電話及びコードレス電話使用との関連についての先行研究の結果を確認した、と結論付けた。これらの知見は、発がんのイニシエーション及びプロモーション段階でRF電磁界が役割を担っているという仮説に対する支持を与えている。

研究助成

  • Cancer och Allergifonden (Cancer and Allergy Foundation), Sweden
  • Cancerhjälpen (Cancerhelp), Sweden
  • Örebro University Hospital Cancer Fund, Sweden
  • gigaherz.ch (Schweizerische Interessengemeinschaft Elektrosmog-Betroffener), Switzerland
  • Pandora Foundation, Germany

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